風の吹き抜ける雀荘 [閑話休題]

 


私のなかで、これは次元が違うと痛感する人間が二人いる。


ひとりは、自分に「麻雀の道標」を示してくださった、ひろりん師匠。


もうひとりは、西風荘のますたぴょん。


「ちょっと何言ってるのかわからない」


というくらい麻雀への感覚が超越していて


場を掌握する力も桁違い。


さらに、始末の悪いことに、


自分の決断に全てを乗っけてくるし


高性能のABSも装備していて、ひどい牌は


ものの見事にビタ止まる。


必要な時に、必要な和了を組む、


その麻雀はとても勉強になる。


こちらから、質問しない限り基本何も教えてはくれないので


私は、どんな些末な疑問であっても、ますたぴょんに、問いかけ続けた。


麻雀もその道を求め続けると


賭けているとか、賭けていない、とかそういう概念が存在しなくなる、ようだ。


もともと、麻雀はすべてをかけてのぞむもの。


だから、その上に何が賭かろうが、屁でもないのだろう。


しっかりと気持ちをのせている麻雀。


ますたぴょんは、とにかく、重い。


4人打ちでも、3人打ちでも、波動砲のような役満がポコポコでる。


また、特定の人間を落ちないように支えるために、大三元を小三元に落として和了したり、


ちょこざいなな、技も持っていて


とにもかくにも、場を掌握する力が自分とは段違いだ。


(大事なことなので2回言いました)


同卓者との未来まで考えて打っている。


おそらく色々な麻雀への「想い」を


「重い」と思わせる「打ちまわし」の積み重ねによる


心象なのだろう、と思う。


私の心の中にあるイメージ。


でもそれこそが、目に見えない麻雀の強さ、なのかも知れない。


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大きな窓がある雀荘。


窓を開くと


涼しい風が吹き抜ける。


よく手入れされた店内。


天国かな、と


カンチガイするほど、居心地がいい。


私と麻雀にとって大切な場所。


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その年、引っ越した私の徒歩圏内に、麻雀荘を見つけた。


ノーレートもある、というフレコミ。


タウンページの広告欄。


ウエルカムムードの文字が躍る。


一万円札を念のためにポケットにねじ込み


そそくさと、試しに足を運ぶ。


西風荘と私の家との間にある


パチンコ店の中を通りショートカット。


大通りのかどに「西風荘」の看板を見つける。


「レート髙かったら、とんずらしよう。


できれば、ノーレートがいいな。


賭け麻雀は打ちたくないな。


お金に振り回される感覚は嫌だ。」


そう思いながら、細い階段を上り、店内へ。


古いけれど、綺麗に清掃された店内は、3卓稼働。


スタイリッシュなオーナーさんが レートを教えてくれる。


ピンの三人打ち麻雀、とのこと。


ちょっと、こわいなあ。


帰ろうかな。


実はわたしは、サンマには少し自信があった。その理由は


ひろりん師匠に、2役縛りの三人打ち麻雀で、鍛えてもらっていた時期が2ヶ月ほどあった。


いつも、最後は、スッタンばかりくらい続けて、大体600テンとか喰らう。


運ではない、完全なる実力だ。


北を抜くタイミング、色や場の合わせ方。


形而上にも存在できないはずの、「ツキ」の扱い方。


結局、「ツキ」など未来には存在しない。


その言葉に蹂躙される心の弱さが問題なだけだ。


同じ配牌でも「ついていない」と思った地点で、もう気持ち負けしているものだ。


そういうことを、この地獄のサンマで学んだ。


とにかく、「ひろりん師匠の修行を受けた自分」は三人打ちでも、


そうそう負けないだろうと、実は思っていた。


もごもごしてる私を察して


オーナーさんが柔らかく、話しかける。


スタイリッシュで、上品な雰囲気。


少しジョジョ立ちで、


「点5の卓で、少し遊びませんか?」


と言う。


私は、できればノーレートを希望なのだけれど、


と言葉を紡ぎつつも、腕試しをしたい気持ちもあり、卓に入る。


ルールは、少し特殊で、一ワンと九ワンが1枚で1000点


九ワンアンコウでツモ和了すると、3,000点づつもらえる。


たとえば、


一一九九九②③④⑤⑥⑦⑧⑨


を①で、リーチツモ和了すると、マンガン、2000点、4000点、が、5,000点プラスで


マンガン、7000点、9000点。


ロン和了だと、8,000点プラス5,000点で13,000点だ。


赤ドラは3環帯と、白ドラ。積棒は1,500点。


まあ、点5なら三人打ち麻雀でも、そう大きなことにはならないだろう。


万が一ノッテ勝ちすぎたらどうしようなどと


チョーシぶっこいたことを考えているわたし。


「勝ちすぎるのも悪いよな」


「勝ちすぎて出禁になったら、どうしよう」


などと。


「なんや、打つんか?」


もろ 雀ゴロのおっさんが振り返る。


「ええ、はじめましょう。」


その店、西風荘のオーナーますたぴょんと雀ゴロ。


でも、ちょろそうだな、と思った。


賭かった麻雀なんて、ちょろいもんだ。


そう思ってサイコロを振る。


→続きます。


自分を特別だ、ドコカでカンチガイしていたあの頃。


よくもまあ、思い上がってたものだな、と。WWW


 


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