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敗北の先に

このお話はフィクションです。


ほんとうのきもちはないしょでござるよ、けんいちうじ。


溶けるように眠って、目が覚めると夕方だった。


わたしは、金策に頭を巡らせる。


もう、2万や3万の小銭ではどうにもならない。


わたしに残った最後の財産といえるようなもの。


ある。最後にひとつだけ。


駐車場に止めてある、動かなくなった外車。


正規ディラーのショールームで心を奪われた。


毎日、ショールームをのぞきにゆく。


納車の日は天にも登る気持ち。


中古だけれど、その車の全てが本当に大好きで、


納車の日は嬉しくて車の中で眠った。


ありったけの現金と、


金利の高いローンを払う。


ようやく手に入れた車。


17インチのアルミを履かせいろんな場所へいった。


絹のようなエンジンは滑らかに回りで


その走りはどこまでも魅力的で、わたしの心を魅了した。


動かなくなってしまっていたけれども、いつか修理して


また、一緒に走ろうと、そう思っていた。


けれど、もう猶予はない。


大丈夫だ。


車は現在乗っているロータリーがある。


そもそもこんなに切羽つまってるのに


車を2台維持、なんてできるはずがないんだ。


「負ける、というのはこういうことなのだ。」


自分の不甲斐なさのせいで、


全てを奪われてしまう。


私は、車関係の仕事をしている旧友に連絡をして


車をひきとってもらうことにした。


2日後の夕方、死神のようなレッカー車がとまる。


車検切れのわたしの車は、


まるで「ドナドナ」の牛のように


運ばれてゆく。


友人は、余計なことは一言も言わずに


わたしに、お金の入った封筒を手渡した。


そして、去り際に


「元気出せや。


クルマなんか、また景気がよくなってから


買い戻せばよかろうもん。」


と、あまり上手ではない笑顔を見せた。


封筒をあらためる。


20万。


400万近くかかったクルマが


たったの20万。


車検も切れて、10万キロオーバーのクルマでは


これが中古車の売買では相場なのだろう。


とにかく、面倒な手続きも必要なく


現金を手に入れることができたことは


本当にありがたい。


様々な払いをして、結局手持ちは


12万円くらいになった。


この12万が最後だ。


どうするか。


正直、あの青年には勝てる気がしない。


お金に余裕がある人間と


そうではない人間。


博打での格付けは済んでいる。


どこか違う雀荘をさがす?


でも、わたしの麻雀のチカラで


凌げる雀荘なんて、他にあるだろうか。


とにかく毎日1万円勝てればいいんだ。


それは、別に麻雀でなくてもいい。


楽しくもない麻雀。


きついだけの麻雀。


次の日、私はパチンコ屋の開店に並ぶ。


毎日1万円くらいなら、なんとか勝てるのではないか。


そう思ったからだ。


麻雀が怖かった。


だって、お金を取られるだけだもの。


きっとまた当たり牌を掴む。


ロッキーのテーマが鳴り響き


店の自動ドアが左右に大きく開く。


にぎやかな店内。


麻雀のことばかり考えながら


パチスロのリールを目で追う。







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東2局の悪夢 [麻雀小説サークル]

このお話はフィクションです。


ほんとうのきもちはないしょあるよ。にんにん。


親リーチにゼンツ。


運良く赤5ソウをツモることができただけ。


単なる前にしか進めない戦車みたいな麻雀だ。


わたしはこの地点でもう、この青年を舐めきっていた。


三四五(赤)③③③⑤4445678


ドラは南。


北家になったわたしは⑤を切ってリーチを打つ。


待ちの多さでの⑤切りだ。


その2巡あと、青年が⑧を横に曲げて


追いかけの親リーチ。


わたしのツモ牌は⑤。


真っ赤に染まった⑤。


あ、でも、③4枚見えているから


これは大丈夫だよな。


瞬間で4枚の③ピンを数え切るとロン。


親番である青年に一発で放銃。


一二三②②②④⑥678南南


リーチ一発ドラ3


ウラドラ・・・


ウラドラの表示牌には


悪夢のようなまんまるな①ピンが。


リーチ一発ドラ3ウラ3.


飛びと、チップ5枚。


開局わずか10分で、わたしはふっとんでしまった。


青年は盆づらがいい。


勝っていても、余計なことは言わず


飄々としている。


なぜだ。


なんてついていないんだ。


嫌ちょっと待てよ。


落ち着け。


この青年は上手ではない。


たまたま運が悪かっただけだ。


そのたまたま運が悪い一回が


最初に巡ってきただけだ。


今日は、いつもより長く打てばいいだけだ。


そう思って挑んだ次の半荘も、


東3局で、青年のリーチに振込み、飛んでしまう。



2ソウと8ソウが河に飛んでいる。


そこに7ソウ切りのリーチだった。


一二三②③④⑦⑧⑨4446


スジの3枚目のカン5そうで振り込んでしまい


ウラドラの表示牌に4枚目の4ソウがいて


18000の飛びとチップ4枚。


そのあとのことは覚えていない。


もう、ぼろぼろだった。


一度も連帯することなく


気持ちを正しく麻雀に向ける余裕のある


持ち金も尽きて、


わたしは、ラス半コールをいれた。


18000を何回振り込んだのだろう。


わたしの渾身の先制リーチは、


ことごとく青年の追いかけリーチの餌食になる。


身を切られるように、大切なお金が奪われる。


なぜだ。


わたしは、遊びじゃない麻雀を打っているのに


我慢してるのに、どうして負けなきゃならないんだ。


金策の術もない。


残りのチカラをふりしぼって青年に声をかける。


「また、打とうな」


弾けるような青年の笑顔の向こうに


丁寧にお辞儀をする青年の彼女の姿。


「はい。また、明日も来るのでお願いします。」


冗談じゃない。


二度と同卓したくない。


喰われるだけだ。


わたしは絶望のなか、帰路につき


溶けるように眠りについた。


夢なら覚めてくれ。




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東1局全ツッパの法則 [麻雀小説サークル]

このお話はフィクションです。


ほんとうのきもちはないしょだよ。





青年は、「よろしくお願いします!」


と、挨拶をする。


私は、自分の経済的に危機一髪な様子など


すっかり忘れてしまって


「ひさしぶりやな、今何しよん?」


と、近況を尋ねる。


青年は、パチプロをやっているらしい。


うまくいっているらしく羽振りはよさそうだ。


大学を出てそのあと、どんな世界を生きてきたのか


サラリーマンにはない、不敵な雰囲気を身にまとっている。


どのような時間を重ねて現在に


至ったのか、それはわからないけれど、


自分で選択肢したのだろう、ということはわかる。


パチプロで、こんな時間から


麻雀を打っている様子からすると


まあ、マトモとは言い難い。


アウトローな状況なのだろう。


10万買った。


今月は、70万買っている、


などの会話が飛び交っている。


現在のわたしには、パチンコを打つ


金銭的な余裕などない。


種銭がない、のだ。


現在できることは、


卓の上に落ちているお金を拾うこと。


気持ちを抑えて丁寧に打てば、


トータルで時給1,900円前後に収まることを


自分のフリー雀荘データが証明している。


店のカウンター脇。隅の卓は、花台。


エースの常連が卓を囲む。


常連卓であるその卓は、強い人間が集う。


その日最初の半荘は、その青年との


同卓から始まった。



手牌を見つめ、自分の麻雀の目的を括り付ける。


「今日は、10,000円は持って帰らないと。」


それがノルマ。


調子が悪い、と感じたなら、すぐに卓を洗う。


そう、それがこの古い友人ともいえる


青年が相手であっても。


青年の背後に、青年の彼女が腰かける。
ふわふわしたイメージが青年の雰囲気によく合う。
ペコリと挨拶をして、優しい笑顔を浮かべ
青年の手牌に視線を移す。
彼女も麻雀を打つのだな、と思った。


サイコロを振り、親番を引き当てた。


中盤にドラを絡めた


58ソウ待ちのリーチドラ1


の手が入り、即リーチ。


開局1発目のテンパイは押す!


これがわたしの当時のスタイル。


親番で両面テンパイなど、


青年が無スジの4ソウを切り


ノータイムで追いかけリーチ。


赤5ソウ単騎をツモ和了して


2000,4000、の2枚。


なるほど、ゼンツの遊び麻雀だな、と思った。


が、あまりにも迷いのない


4ソウ切りに、ちょっと違和感を覚えた。


5ソウを切って、他のターツを伸ばせば


少なくとも、亜両面の待ちにはなる。


けれど、敢えて5ソウ単騎。


私のリーチは河も強く、4ソウも5ソウも


危険度は変わらないように思う。


これは、「東1局全ツッパの法則」かもしれない、


と、わたしは、過去の青年との時間を思い出す。


これは、高校生である青年と過ごした雀荘「さーくる」での会話。


歯の抜けた、見るからにチンピラで、


多分本当にチンピラだろう、と思われるおっさん。


紙でできた不思議な造形の日本酒をチューチューやりながら、


若者の麻雀を後ろ見して、野次を飛ばす。


「おうおう!ええ若いもんが、東1局からオリてどうするんや?


麻雀はな!気合よ、気合!。


男らしゅう戦った奴のところに勝利の女神は微笑むんじゃ。


流れを大事にせえ!流れを!」


このチンピラのおっさんの言うことは


当時「そのとおり!」だとみな思っていた。


東1局は押したほうが得だ。


残りの半荘でいくらでも調整が利くのだから。


また、麻雀はある程度、和了にむかわないと


ツキに見放されてしまう。


「東1局は全ツッパ!」


青年は、この言葉をこれまで


守ってきたのではないか?


我慢のない麻雀。


振込むことの怖さを知らない「遊びの麻雀」。


そんな麻雀に、我慢に我慢を重ねて、そう


あらゆる「麻雀でやってみたいこと」を我慢している


自分が、何故、負けなければならないのか?


カモだな。


青年に対してそう思った。


今日のノルマの10,000円は


授業料として青年から貰うこととしよう。


品性の欠片もなく、私はそう思った。


その次局、私は、そう思った自分を


ぽかぽかと殴りたくなるような目に合う。







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残滓 [麻雀小説サークル]

このお話はフィクションです。



新しくできたその雀荘。


金融業や、パチプロがその客層のほとんどだ。


ただ、店の雰囲気があまりにも良すぎることと


店員さんの接客がパーフェクツなため


とても賑わっていた。


あの青年との出来ごとから、8年。


その頃の私は、どん底にいた。


いつもお金がなかった。


何もかもうまくいっていなくて、


麻雀で小銭を稼いで、生活を繋いでいた。


そのことがたまらなく恥ずかしくって


古い友人には、合わせる顔もなかった。


どん底の惨めな気持ちの日々。


数限りない思い通りにならない出来事。


その中で、麻雀だけが、唯一


努力や我慢を裏切らない存在だった。


遊び半分に楽しんで麻雀を打っている人間は


そのかわりお金を置いてゆく。


我慢をして苦しい麻雀を打っているわたしは


そのお金をひろってゆく。


楽しい麻雀なんて、もう忘れてしまった。


お金が必要だ。


たまらなく惨めだった。


麻雀の理屈だけが、私を支えていた。


お金に執着する必要のない、


大きなお金の感覚の中に身を置いている


パチプロや金融業のみなさんは、


「勝ちに行く麻雀」ではなく


「楽しむ麻雀」を好む。


なので、勝つことだけを考えている自分にしては


本当に凌ぎやすい雀荘だった。


一円でもお金を持って帰る。


トップよりチップ。


赤ありの手役の取りこぼしは


お金を捨てるようなものだ。


赤ドラはお金だ。


調子が悪い時は、打たない。


調子のよい人とは、同卓しない。


他家をいかせて、振り込ませる。


ラスを他人に押しつける。


目立たないように、ありとあらゆる姑息な手を駆使して


毎月、ほぼ毎日通って7万円くらいをあげていた。


その7万円程度のお金が、その時は本当に必要だったのだ。


月末は、本当に苦しくて、20日を過ぎると眠れなくなる。


ゲーム代金があまりにも安いこと、


客層が甘いこと、


店の雰囲気があたたかいこと。


楽園。


その楽園に守銭奴が混じっている。


そんな感覚。


いつも、お金のことを気にせずに麻雀を打ちたい。


そう心のなかで思っていた。


パチプロたちや、金融業のひとが


来店する午後23時のゴールデンタイム。


いつものように、燃費の悪いロータリーエンジンの車に


身体を埋めてガソリンをあまり使わないように、


注意をしながらその雀荘に向かう。


もう一台の外車は、車検が切れて駐車場に眠っている。


お金がないから、処分ができないのだ。


いつものようにドアを開けると


その店内に懐かしい笑顔が見える。


間違いないあの時の青年だ。


きれいな愛想のよい彼女を背中に


なんだか、妙に慣れた手つきで


麻雀牌を小気味よく河に並べている。


あの頃の麻雀への情熱。


麻雀を打つこと、が好きだった自分。


こころのなかにある、その残滓。


いつものように、お金のためではなく


ただ、その青年と麻雀が打ちたい、と思った。


「おひさしぶりです!」


青年は変わらない笑顔を私に向けると


彼女に、わたしにはお世話になった、などと


紹介をしてくれた。


懐かしいあたたかい気持ちがこみ上げてくる。



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トイレ代走 [麻雀小説サークル]



少し秋めいてきた季節。


市内で、唯一の低レートの麻雀。


エレベーターのない建物の3階。


点0・3 の300円600円


ゲーム代金 250円


大きいお札で、一晩遊べる。


学生だった私は、帰省時はそこに入り浸っていた。


朝10時にパチンコ屋に並んで


パチスロのモーニングサービスをとり


(昔パチスロには、モーニングサービスというものがあり


朝一、1ゲームでビックボーナスをそろえることができる台


そんな夢のようなサービスを店側が、用意してくれていた。


7枚交換なので、5000円くらいの勝ちにしかならないが)


5000円をもって、その低いレートの雀荘へ。


夕刻6時になると、階段を駆け上がる音が遠くに聞こえて


元気よくその店のドアが開く。


「おつかれさまっす!」


学生カバンをさげて


制服のまま、その青年が入ってくる。


青年は、お店の売りである100円の棒ラーメンを


注文して、カウンターのわきに陣取る。


それから、3時間は、観戦している。


理由は簡単。


お金がないのだ。


高校生だから。


市で一番の進学校に通う青年。


青年が麻雀を打つことができるのは、


気心の知れた常連の「トイレ代走」のみ。


「おう、トイレや。代走してや!」


その言葉を待ちわびて、


トイレの間、その1局を打つ。


麻雀が好きで好きで仕方のない様子が


もう全身から溢れ出ている。


青年は、毎日、放課後現れる。


必ず、現れる。


階段を駆け上がってくる音が今日も聞こえる。


目をキラキラさせて、常連の麻雀をみつめている。


人当たりの良い素直な性格で、


皆から愛されていた。



と、ある日。


私は、その店にしては高レート?な


1000点50円の麻雀で遊んでいた。


そして本当に調子がよかった。


3回くらい続けてトップを取っていて


4回目の半荘。


東3局で、8000点を振込み


流れがなくなったな、と感じたところに


注文していた「カッツ丼」が来た。


カッツ丼は、麻雀打ちのための食べ物。


名前も、片手で持てるその仕様もサイコーだ。


だから、食べながら打っても構わなかったのだけれど、


私は、どうせこの半荘は、「捨て」だと思い


若者にいい恰好をしたい、そんな下卑た気持ちも手伝って


青年にどや声で代走を頼んだ。


「めし、食うわ!代走してや!」


飛んでくる青年。


私は、青年によたりながら


「どうせ、ツキがなくなってきとうけ、


この半荘は、あと好きに打っていいばい。


もし、トップ取れたら、その浮きは


小遣いにしていいけな。」


と、小物感全開で、大物ぶる偉ぶる。


青年は


「本当ですか!」


と満面の笑み。


その局で18000を打ち込んで、とんだ。


「すいません。」


しょんぼりする青年。


わたしは、まだ、カッツ丼を食べ終わってなかったので


「悔しいやろう?もう一局、打っていいばい。」


と、よい先輩ぶる。


「あ、ありがとうございます!がんばります!」


次の半荘の東場で、彼の点棒はゼロになった。


手牌が育つことが嬉しくて嬉しくて


オリルなんてこと、夢にも考えていない。


常連の麻雀を観戦するにしても


きっと、手牌が育つ様子を楽しんで観戦しているのだろう、と思った。


「すいませんでした。


ありがとうございます!楽しかったです!」


青年は、そうわたしに告げると


優しい笑顔を向けた。


それから、受験まで、青年は毎日その店に現れた。


そして、現役で国立大学に合格をした。



青年は無事大学生になり、


私がその地方の大学に遊びにいった際には


新しい麻雀仲間とともに、迎えてくれた。


点30円、手積み、朝までコース。


麻雀が好きでしかないオーラは変わらずだったけれど


あまり、強くはなかった。


というか、この青年が強くなる、とは


正直思えなかった。


それから、8年。


新しく足を運んだ雀荘で、ふたたび青年と


ばったり遭遇することになる。












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2分の1の勇気 [九州麻雀ほうろうき]


「麻雀を打っているときは、本当に楽しくて


嫌なこと全てから、解放される。」


その言葉に激しく頷く。


麻雀は楽しすぎる。


だから、時々その楽しさに浮かれてしまって


また、忘れてしまう。


いちかばちか、は勇気ではない、ということを。




いつかの対局。


牌姿もよく覚えてはいない。


最近は、もう、「覚えていること」が蒙昧だ。


世界のとらえ方が、「形」から「イメージ」にかわってゆく。


なんというかぼんやりしているのだ。


親リーを受けて、一か八かの選択をして、


後悔している、ということ。




一発裏のない、競技ルール。




親の先制リーチを受けて、


二三四四五六③④⑤⑤⑥567


四が入ってこのようなテンパイだったと思う。


こんな形だったと思う。


というか、こんな色だった、と思う。


ドラは④


親のリーチはその捨て牌が


「おいら、ピンズ待ちだよ!」


と語り掛けてくるくらいピンズ本線。


そこにこのテンパイ。


親上家の捨て牌に②と⑤が飛んでいる。


二三四四五六③④⑤⑤⑥567


親の河には⑧が切られているので


③④⑤⑥⑦


こんなテンパイはない。


両面であるとしたなら、


③④


これだ。


親のリーチはピンズが高すぎるから


手の内にピンズ1メンツってことはないだろう。


ということは、複合系で組まれやすいのは


②⑤ピンではなく、③⑥ピンだ。


親には、たぶん③⑥のほうが


②⑤ピンより6割くらい危険に見える。


そして、単純枚数では、③⑥待ちのほうが多い。


③⑥⑨のスジをフォローできるってよくね?


親番も残っているし。


リーチ!


わたしは、偉そうに無スジの⑤を親リーチに切る。


一瞬、なんだか、ものすごくいけないことをしてる気がした。


けれど、危険牌を切る楽しさが


身体を完全に支配していた。


「こういうギリギリの牌を通すこと、楽しいっす!」と。



結果、親リーチの待ちは③⑥⑨


私の2分の1の選択は、正解・・。?


いや、違う。


違うだろ!


思考そのものが、間違っている。


おいら、ピンズ待ちだす!


というくらいピンズが危険なリーチに


ピンズを切ることはおかしい。


ピンズが危険!ということは?


とと思考が繋がらないことがおかしい。


楽しさにおぼれて、楽をしている。


今までなら、③⑥も、⑤も切ることはないだろう。


二三四四五六③④⑤⑤⑥567


これまでなら、安全なソーズに手をかけている。


7ソウに手をかけているだろう。


理由は


③⑥を切るか、⑤を切るか、


その選択がしっかり精査できていない。


そんな牌を切ってはいけない。


ソーズは通っている。


だから、ソーズを雀頭に求めて


二三四四五六③④⑤⑤⑥55


二三四四五六③④⑤⑤⑥66


二三四四五六③④⑤⑤⑥77


このツモパネリーチを打つ。


(結果論だけれど、実戦では5ソウをひき、


親リーチから④が出ている。)


もしくは、ソーズを全部払って


ピンズ総受の応手でもよい。


そういう麻雀を目指して


そういう麻雀を打ってきたはずなのに。


そういう麻雀がつらくて


「楽しかった」はずなのに。


楽をしている。


2分の1の選択を、「選択すること」は


勇気ではない。


それ以外の選択肢を持とうとしない


第3の選択肢を考えない楽な思考だ。


「それでいい」と思っている。


「それでいい」では済まないから


麻雀は魅力的なのだ。


自分の麻雀は、


「説明のつかない納得のできない牌を切らない」こと。


それに「矛盾」している地点で


自分にとって、お話にならないのだ。


納得できていないときには、


実のところ、言い訳が並ぶ。


この時自分は、ピンズを我慢する努力の方向を


少しも見やることなく


⑤で振り込んだ時の「言い訳」を考えていた。


言い訳の必要な「勇気」があろうものか。


本当の勇気は、この刹那のテンパイを我慢して


その先の未来を見つめることだ。


そうでなければ、重くならない。


行き当たりばったりの


吹けば飛ぶような麻雀しか打てない。


楽しい、けれど、寂しい麻雀、ではなく


苦しい、けれど、満足のゆく麻雀を。



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たどりついたシャボフリテンリーチ [九州麻雀ほうろうき]

30年前、小倉に始めて産声をあげた


低レート麻雀「さーくる」。


仕事帰りのスーツ姿で麻雀を打つ


その姿は、当時学生だった自分から見て


「趣味と仕事をしっかりこなしている」大人の姿だった。


その人は、思いのまま、麻雀プロとなりAリーグで健闘。


麻雀に対する想いは、敬意を払わずにいられない。


これから、同卓してもらえる。


長い長い歳月を重ねて、現在がある。


30年の時間が流れている。








電話帳をめくり、ノーレートで打てる雀荘を探す。


「西風荘」の文字を見つける。


そのドアを開いた瞬間、わたしの世界が拡がった。


そこには、様々な麻雀を通しての出会いがあり、


きれいごとではない麻雀の怖さ、


損得ではない麻雀の尊さを、教わる。


大局的に麻雀を捉えるその力は、現在でも私の憧れだ。


現在でも、いつも夢に見る。


私にとって、ふるさとのような雀荘、西風荘。


そのマスターとこれから同卓をする。


20年たった現在でも、私と同卓をしてくださる。





麻雀を強くなりたくて、訊ねた麻雀教室。


そこで出会った青年。


ヒロモト先生の元、麻雀を教わる。


夕刻20時から半荘1回か2回。


気がおかしくなるくらい麻雀に魅了されて


毎日、その対局の内容を振り返りながら帰宅する。


果てしなく濃厚な時間だった。


現在は麻雀から離れているのに


私の帰省時には、必ず時間を合わせて同卓してくれる。


そして、精一杯、麻雀を打ってくれる。



幾星霜。


たくさんの時間と想いの結果、これからの対局がある。


いつも通り、仕掛けて、いつも通りではなく


引き出しを増やす努力を。


ヒロモト師匠にいつも注意されていた


「仕掛けることで失うモノ」の意味。


面前の効果を最大限に生かした応手を。



対局が始まる。


手牌が高打点にブーストしない限り


面前で、テンパイ料を取る。


仕掛けて1000点を和了するより


テンパイ料を取ることをひとつの目的として


面前で組むほうが、はるかに厚く打てる。


そう思って、重めに組むのだけれど


他家の切れがよい。


テンパイ料云々の前に、


ツモり倒されている。


その終盤。


二四六七八②④⑤⑥4567


ドラ七ワン


上家から打たれた三ワンをスルーする。


ツモって2000.3900


あわよくば3000.6000を


仕掛けて2000点にする必要はない。


ツモ二ワンで、打②


二二四六七八④⑤⑥4567


次巡リーチを受けて、ツモ②ピン 打現物4ソウ


二二四六七八②④⑤⑥567


五ワンを引いて、打八ワン


場には、三ワンと③ピンが3枚づつ。


二四五六七②④⑤⑥4567


ここに②を引く。


二二四五六七②②④⑤⑥4567


②はフリテンだ。


けれど、②はともかく


二ワンが牌山にいそうな気がする。


二二伍六七②②④⑤⑥4567


私は4ソウを切ってリーチを打つ。


カン三ワンを仕掛けなかったからこそ、の二ワン待ち。


私の河は強く、リーチを打てば他家をけん制もできよう。


ノータイムリーチが、まさかのフリテンシャボ待ちとは


だれも思わないだろう。


ひどいリーチかも知れない。


私だって30年間フリテンシャボのリーチなど


打ったことはない。


そんな効率の悪いことをするくらいなら、


仕掛けて和了しやすい2000点を。


そのほうが遥かに効率がよいからだ。


けれど、その効率を選ぶことを我慢してたどり着いたテンパイだ。


ツモりそうだ、感じているからこそのリーチだ。矛盾はない。


二ワンをツモる。


2000、3900


ひどいけれど、改心の和了だった。




結局、この日は、ノートップだった。


多分、面前にこだわり過ぎて


何か大切なポイントを見過ごしてしまっていたのかも知れない。


半荘6回を付き合っていただいて


もっと、もっと、考えなければいけないな、と痛感した。


数字上の成績が落ち着いていると、


「それでよい」と思ってしまう。


そうすると、新しい選択肢を疑うこともしなくなる。


それではだめだ。


どういう経緯での成績なのか、


その内容こそが大切。



次回はいつだろうか?


最近、麻雀は観戦するばかりの自分が


どれくらい成長できるかはわからないけれど


かなうことなら、また、同じメンツでの対局を、と思う。



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超面前派宣言!小倉まーちゃお [九州麻雀ほうろうき]

せっかくの小倉。


千草麻雀教室にも、行きたかった。


会いたいひとは、たくさんいるけれど


とにかく今回の帰省は時間がない。


一日外出券でシャバにでてきている


カイジくんのような、そんな感じ。


でも、どうしても、ますたぴょんと、


F岡先生と、どいんちゃんにだけは


会いたいし、打ちたい。


感じのよい店員さんが卓へ案内してくれる。


フリードリンクの注文はやめた。


コーヒーをのんびり飲んでる、


そんな対局ではない。


全神経を集中しても足りないくらいなのだから。


おなかも少し空いてるくらいがよい。


大好きな町で、大好きな麻雀を


大好きな人たちと打てる喜び。


限られた貴重な対局。


ジャブは少なめに、


ストレートを打抜こう。


ますたぴょんが、以前こぼしていた


「勝つことの中身を求める」


その言葉の意味を考え続けている。 


年齢相応に、重ねてきた幾星霜。


持てる引き出しの中から


外連味のない打牌を重ねたい。


これまでのような、ぽんじゃんゲームはだめだ。


門前で厚く打って、他家の攻撃を吸収して


強烈なカウンターを打つ。

 

これまでいい気になって仕掛けることで、失っていた


手牌13枚の麻雀の力を可能性を信じてみたい。


13枚役の価値を大切にしながら、


満貫を軸に手牌を構成する。


仕掛けて2000点、とかではなくて


手牌を短くすることなく


テンパイ料を重ねるイメージ。


13枚あれば。色々なことができるはずだ。


守備も攻撃も、レンジがひろがるはずだ。


その意識を轢いた上で打てば


絶対に仕掛けるべき勘所が見えてくるはずだ。


「ふっふっふ、これまでの


つかぴょんとは、ちがうのだよ!」


ここ最近の勉強会で学んだこと、


つい兄さん戦で学んだこと。


それらを全部出し切って結果を出す。  


「見せてやんぜ!


超門前麻雀ってヤツを!」


少しおなかがへりすぎてるけれど


緊張感で克服できる。


これ位がちょうどいい。


門前麻雀。


何度もその頂きを目指し、挫折を重ねてきた。


でも今度は行けると思うんだ。


サイコロが振られ、まーちゃお小倉店の


喧騒が遠くなる。


卓に感覚が溶けてゆく。


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決戦!まーちゃお小倉店! [麻雀]

帰省。


お世話になっているひと。


その元気な様子に会いたい。


これが一番の理由で


私のわがまま、


なかば強引にセットをたてる。


13時の待ち合わせだが、


念には念をいれて30分前に


入店して待機。


店内、めちゃきれい。


感じのよい店員さんからお茶。


10分後、開始20分前。


どいんちゃん登場。


15分後、F岡先生登場。


麻雀は準備のゲーム。


さすがにみなちゃんとしている。


あれ?


ますたぴょんがいない。


開始3分前。


おかしい!


ますたぴょんが遅刻なんてありえない。


これまで20年間そんなことは


一度もなかった。


何かあったのだろうか?


あれ?


きれいな店内に


見覚えのあるツモり方のひとが。


ますたぴょんだ!


ますたぴょんが既に


店に来ていてしかも


フリーで打ってるとは!


『ラスト〜』


ちょうど、約束の時間に


その半荘は終わり、われわれのセットが始まる。


恐るべしますたぴょん。


こりゃ、やられそうだな。


そう思いながら卓につく。


F岡先生のリーグ戦の調整も兼ねて


一発と裏のない例のルール。


大切な大切な麻雀。


ウマぶりとか、楽したり、とか


牌こぼしたりとか、


そういうのは、なし、だからね!


自分に言い聞かせる。


楽しい麻雀ばかり、打ってるから


ちゃんと打てるか、心配。


ジャブは少なめに、


ストレートを打抜こう。


今年最初の、麻雀がはじまる。


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麻雀は準備が、大切さ [麻雀]


「段取り8割やな」


保温工事を生業としてる友人は

タバコを燻らせ、そうこぼす。


仕事は、準備が大切。

準備なくして仕事の成功はない、と。


そして、準備をうまく整える為の

「準備」も生まれてくる。 

「新しい気づき」も生まれる。


麻雀も「準備」が大切だ。

限られた時間のなかで、最大限の

効果をのぞむ為に、備える必要がある。


①日頃の修練

日々麻雀について学び、基礎力を養うこと。

観戦中もメモを取り自身の教養に変える。


②引き出しの整理

自身の教養を実戦で運用しやすいように、

戦術として、ルールに合わせて整理する。


③逡巡なき打牌

対局中は、ノータイム打牌を心がける。

応手が準備できていないことは致命的。

「自分が準備できていないこと」で

他家の「時間」を奪ってはいけない。


「来てから考える」ではなくて

「来る前、に考える」こと。

それが、できるようになるためには、

とにかく「準備」が必要なのだ。


空を見上げれば、雨が振りそうかどうかくらい

分かるものだ。だから、状況を判断して

傘を準備する。

(他家からリーチがかかりそう、安全そうな

牌を予め整えよう。)

雨が降り出してから、空を見上げても

それは遅いっていうものだ。

(他家のリーチを受けて手牌のなきら

安全そうな牌を探そう。)



麻雀に限らすだけれど、

「準備」に注力してるひとは 

「気づきのちから」も強く

仕事ができるイメージだ。 





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