天鳳さえやっておけば
③③③⑤⑤⑥⑦667発発発
このシャンテンに上家が⑤を切る。
天鳳をやっていれば、迷わず仕掛けることができる牌。
きっと、これを鳴かないなんてありえません、なオハナシ。
目の前の1000点の価値は、そのまま1000点ではない。
自分が和了をすれば、他のひとは和了出来ないわけだし
なんといっても、次局からは、親番で
ここで大量得点を獲得しなければならないはずだ。
その⑤スルーしたその先には①がいた。
①③③③⑤⑤⑥⑦667発発発
ノータイムで打7ソウ。
そうか、三暗刻か・・・
理屈は解るし、牌の動きはそうだけれど、
でも、三暗刻はツモ和了でなければ、
成立しない役。よしんば
③③③⑤⑤⑥⑦⑧66発発発
こんなテンパイになったとしても、
ロン和了なら食い仕掛けての1000点と何も
かわらないではないか?
そのあと、2枚目の⑤が打たれて
さらに③を引く
①③③③③⑤⑤⑥⑦66発発発
?③カン?
いやいやまさか・・・
よく見るとこの形、カン②とカン④
をツモってさえしまえば、なんとかなりそうだ。
③が4枚。場に見えている牌も合わせると⑤も4枚。
②も④も場には出ていない。
打6ソウ
①③③③③⑤⑤⑥⑦6発発発
数巡後、②を引く。打6ソウ。
①②③③③③⑤⑤⑥⑦発発発
②や⑥を引いて、それからリーチなのかな?
そう思っていたなら、
今回はノータイムリーチ。
カン④で決めにゆくようだ。
下家とトイメンも追いかけリーチ。
このカン④、和了できないなんてことあるのだろうか?
そう感じるくらい強いテンパイ。
③③③⑤⑤⑥⑦667発発発
ここから、見える未来は、
三暗刻をにらみながらのホンイツ移行。
それが、この手牌の一番高い形だろう。
発や③がアンコウでなければ、違う選択肢もあったかも知れない。
3人リーチでのめくり合いが続く。まだ、④も⑧もいない。
・・・・・・・・・・
ますたぴょんの渾身のメンホンの姿をみつめながら、
私は思い出す。
ますたぴょんの信条が「後悔をしない麻雀」であることを。
そして、手牌を慈しむ麻雀であることを。
この手牌を1000点に「見切って」しまうことは
ますたぴょんの麻雀ではない。
そんなことをして、勝ったとしても、
ますたぴょんとしては、それには意味がない。
麻雀で大切なことはまず自分が納得できることだ。
この目の前の手牌をおろそかにして、
次局の自分の親番は頑張る、なんて
そんな都合のいいことは、きっと考えていないのだろう。
この手牌を仕掛けて1000点にすることを
後悔する、とおもうのであれば、
それは選んではいけない選択肢なのだ。
それに、この対局は大会。
必ずここで結果をださなければならない。、
ラスを回避して、長い対局回数の中で
結果を出す「天鳳」とは、戦い方が違う。
観戦とはいえ、これだけ強い気持ちで応援していると、
自分も一緒に打っているような感覚になる。
私の頭の中は④ピンでいっぱいだった。
個人的に、手牌に対して精一杯の工夫を凝らした
この手牌に和了して欲しい。
楽な選択肢ではなかったメンホン。
この手が和了出来ないはずはない。
和了出来ないのであれば、私は
麻雀そのものに不信感を覚えずにいられない。
そこまで、思っていると、
「ツモ」
ますたぴょんの発声。
④が静かに卓に置かれる。
④をツモ和了するまで、②も⑥も引かなかった。
④が先に待っていてくれた。
その次局の親番でも④で7700を和了。
3回戦はプラスの成績で最終4回線へ。
小学生並の感想ですが、凄く感動しました。
麻雀を打つ意味を再確認出来て良かった。
ありがとうございました。
by 志村 (2016-09-20 18:50)
志村様
コメントありがとうございます。
大会の臨場感を文章にすることは
本当に難しいですが、一生懸命書きました。
読んでいただきありがとうございます。
by ゆうゆう (2016-09-22 00:15)