さよならの朝に、きっと麻雀のある情景を想う。
「つかぴょんの麻雀パラダイス・ロスト」
1800近い記事。
本当に、麻雀のこと、好きだったんだな・・おれ。
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まだ、手役は成長する。
けれど、ここは、まあリーチでいいでしょう。
あの人の麻雀気になるな。
でも、まあ、いいかまたの機会に話しかけよう。
偉そうな人。不愉快だな。
でも、まあ、いいや、だまっていよう。
もう、この対局で最後だな。
まあ、でもどこかでもう一度運よく会えるかも。
あげれば、キリがない。
すべて自分の麻雀への姿勢だ。
次回があると、未来に甘えて
目の前にある事柄をおろそかにしている。
ちゃんとできないなら、その気持ちがないなら、
自分はきっと、もう、麻雀を打つべきじゃない。
どうすれば、大切にできるか、がわからない。
大切にするってことは、
麻雀をひっくるめて
全てをおろそかにしないこと。
それは、とても大変で
だけど、とても大切なこと。
暗闇に包まれ、目を閉じるとき
その最後の朝に、
自分は、自分の麻雀との時間を
その情景を温かく思い出したい。
少しくすぐったいセピア色の情景を
ゆりかごに、
「悪くなかった」と、そうこぼして逝きたいのだ。
麻雀も好きだけれど
麻雀を好きなひとの集まる情景も大好きだった。
折り返しを迎えた人生。
あと、何回打つことができるのかわからないけれど
ここから先は、すべての事柄に決着をつけながら
打牌を紡いてゆきたい。
たくさんは要らないし、
蘊蓄も要らない。
上手とか、下手とか、そういうのも、意味がない。
ただ、満足のゆくものを目指すこと。
自分が満足のゆく麻雀を目指すこと。
次の機会に
なんてことは、もう一切考えずに
その刹那に注力をしよう。
最後の朝に、麻雀を大切に思い返すことができるように。
麻雀の温度
それぞれに打ちたい麻雀がある。
自分の打ちたい麻雀は、
どこまでも果てしなく遠く。
歩いても歩いても、どこまでも、いつまでも、ふもと。
。。。、、、、
都内の高層ビルから、夜景を眺め、
嗜む習慣も持たないワインを飲む。
赤いワインのむこうに揺らぐ景色。
その色は、赤ウーピンではなく、
やはりシャア専用ザクの機体の色に近い。
孤高な峻烈な赤。
その一年をねぎらう。
歓談の中で、ワインの話になる。
「ワインはね。魔法だよ。
そこには夢がある。」
人生の節目をワインと生きてきた
紳士は教養のある柔らかい笑みを浮かべる。
その年その年で生まれるワインは違う。
同じワインには2度と遭えない。
たくさんの想いと文化が詰まっている。
私は、麻雀のこと、を思った。
一期一会の牌との出会い。
ひととの出会い。
ひとつの人生では、同じ景色に出会うことはできない。
それが、愛しかった。
大事にしたい、と。
けれど、言い訳のなかでまるで
いつくしむことが、できずに
結果、なにひとつ意味を持たせることができずに
何もできずに、時間に流してしまっている。
「麻雀も、そうなんです。
ワインと同じです。
たまらなく愛しい刹那。
そう、魔法で、夢が詰まっている。」
私は、その紳士に、そう返すころができなかった。
自分の半生をかけた麻雀への想い。
それに、まったく意味がなかった、とおもい始めている。
それは、同時に自分の歩んできた、すべての過去への睥睨。
積み重ねているつもりで、
何も積み重なってなかったのだ、と。
全ての景色が、色をなくす。
セピア色だ。
私は、峻烈なワインの色に羨望のまなざしを向ける。
孤高な色。
強い信念の色。
もう一度
ちゃんと、打牌と向き合って
ちゃんと、同卓者と向き合って
理屈や、言い訳で麻雀をごまかさずに
虚栄心や自己満足に侵食されないように、
もう一度、向かい合えるだろうか。
現在は、本当に麻雀が不思議なほどつらい。
こんなことは今までなかった。
意味があった、とりつくろうことはできる。
でも、それは、違う。
ちゃんとできないなら、その気持ちがないなら、
自分はきっと、もう、麻雀を打つべきじゃない。
どうすれば、大切にできるか、がわからないのだ。