伝説のメンバー [閑話休題]

 ふと、その友人のことを思い出した。

国士無双テンパイから、⑦ピンをツモって

おりた、その友人のことを。

もう一度だけ、打ちたいな。

そんな気持ち溢れてくる。


再録です。

その雀荘に、圧倒的な連帯率を誇るメンバーがいた。


とにかく、ラスを引かず、5割以上で、1着2着。


3900点クラスを2.3回。


12000点クラスを1回和了できれば、まず大きく沈むことはない、と彼はいう。


フカシではない。


実際にそういうスコアが出ていた。


しかも彼は他の人に嫌われない。


その理由は、「大きく勝たない」からだ。


基本的に


先制リーチは打たない。


食い仕掛けはしない。


他家の親は流さない。


これらを本当に酷使して、ノーテン罰符で局を繋ぐ。


もちろん、そんな悠長なことを言ってられない例外もある。


けれど彼は、よほどのことがない限り、概ねこれらを貫いていたようだ。


また、半荘の組み立て方も上手で、


オーラスまで誰もがトップを狙える状況を作る。


最後まで、みなわくわくできる。


オーラスの凌ぎあいで、彼がトップを取る分には、同卓者もそれを嫌がらない。


それで、トップをとれても、小さなトップだ。


ほんまかいな?と思うけれど、そんな麻雀でありながら、彼の成績はマイナスではないのだ。


大きなプラスではないけれど、マイナスではないというだけですごい。


彼の記録している「自身のスコア」を見るまで、私も彼は負けていると思っていたくらいだから。


並々ならぬ努力。


彼は、博打の知識もものすごく豊富に蓄えていて、よく私に教えてくれた。


「弱っている奴を叩け!」


「相手に激痛を与えるレートで叩け!」


など、強烈なものばかりだが、それはそれで、うなづけるものばかりだった。


ある日、私は彼と同卓する。


彼は調子が悪いようで、かろうじてラスを引かないように頑張っている。


その彼と正反対に、私はなぜか理不尽なほど、絶好調。


タンヤオドラ1を仕掛ければ、赤ドラが2枚降ってくるし、


リーチをかければ、裏ドラモロのりだし・・・


私のかごは、色とりどりのカードで溢れた。


「そのカード1枚貸してもらえませんか?」


と彼が、唐突に私に話しかける。


必ず返すから、貸してくれ、というのだ。


だが、彼のかごにも、まだカードはたくさんある。


わたしに借りる必要などないはずだ。


私は、怪訝に感じながらも、500円のカードを彼のかごに入れた。


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