猶予う季節の中で [啓雀会にて]
嶺上開花 [啓雀会にて]
大切なチャンタ [啓雀会にて]
奇跡な魔法もあるのかな? [閑話休題]
私のカードが一枚、彼のかごに入る。
その次の半荘もいきなり軽い手が入った。
調子のよい日というのはこんなものである。
もっとも「調子がよいという思いこみ込みが
事の運びを楽にしているということもあるのだろうけれど。
軽いけれど12000点はある。
三四五六七②③④⑤⑥⑦⑧⑧発
ドラ⑧
場に1枚飛んでいる発を打ちだしてリーチ。
16000点にする。
下家の彼が、私のリーチ宣言牌を鳴いた。
そして、ちょっと私のリーチにはきつい牌を切る。
なにか根拠があるのかな?
ドラの⑧は2枚私のところにあるし、赤も2枚知れているし・・・
一発消し?
そんな無粋なマネを彼は選択しない。
なんだか、薄気味が悪い。
そのあとも、彼は今までとは違い強い牌を切る。
そして、カン八ワンをツモリ、500,1000で、私のリーチを捌いた。
私にとってものすごく感触の悪い和了。
八を食い取られた形になっていることもその理由だろうけれど、
なんというか、そう、「嫌な予感」というヤツだ。
その次局、彼は追っかけリーチでカン3ソウを一発でツモり、裏をのせて4000オール。
その半荘、彼はトップとなる。
その次の半荘、彼は浮きの2着。
その次の半荘も彼のトップ。
めだつ和了はないものの着実に連帯してきている。
かわりに私がじり貧となる。
結果、彼はほとんどの負債を目立たず取り返していた。
対局後、彼は私にカードを返す。
「どうして、カード、借りたの?何の意味があるの?」
私から、カードを借りた理由を訊ねずにはいられない。
彼の、答えは以下のとおりだ。
博打は、ついている人間の持ち物を借りると、ツキをわけてもらえる。
だから一番ついていた人間(私)のカードを借りた。
これは、博打の常識だ、と。
そんなバカな?
そう思ったけれど、そうだ、と言える理由が存在しないのと同様に、
そうではない、と言える理由も存在しない。
そんな魔法みたいなハナシがあるものだろうか?
けれど、彼の奇跡的な麻雀の成績を考えると「もしかして?」と思ってしまう。
その後、彼がついていて、私がじり貧の日があった。
彼に
「カードを貸してくれ」
と頼んだところ、
「絶対嫌です。」
と、鬼のような顔で、断られた。
世の中は、世知辛いことこの上ない。
私は「人生の厳しさ」をも合わせて彼に教えてもらった。
ランキングに参加。クリック!クリック!
<→
麻雀 ブログランキングへ
伝説のメンバー [閑話休題]
ふと、その友人のことを思い出した。
国士無双テンパイから、⑦ピンをツモって
おりた、その友人のことを。
もう一度だけ、打ちたいな。
そんな気持ち溢れてくる。
再録です。
その雀荘に、圧倒的な連帯率を誇るメンバーがいた。
とにかく、ラスを引かず、5割以上で、1着2着。
3900点クラスを2.3回。
12000点クラスを1回和了できれば、まず大きく沈むことはない、と彼はいう。
フカシではない。
実際にそういうスコアが出ていた。
しかも彼は他の人に嫌われない。
その理由は、「大きく勝たない」からだ。
基本的に
先制リーチは打たない。
食い仕掛けはしない。
他家の親は流さない。
これらを本当に酷使して、ノーテン罰符で局を繋ぐ。
もちろん、そんな悠長なことを言ってられない例外もある。
けれど彼は、よほどのことがない限り、概ねこれらを貫いていたようだ。
また、半荘の組み立て方も上手で、
オーラスまで誰もがトップを狙える状況を作る。
最後まで、みなわくわくできる。
オーラスの凌ぎあいで、彼がトップを取る分には、同卓者もそれを嫌がらない。
それで、トップをとれても、小さなトップだ。
ほんまかいな?と思うけれど、そんな麻雀でありながら、彼の成績はマイナスではないのだ。
大きなプラスではないけれど、マイナスではないというだけですごい。
彼の記録している「自身のスコア」を見るまで、私も彼は負けていると思っていたくらいだから。
並々ならぬ努力。
彼は、博打の知識もものすごく豊富に蓄えていて、よく私に教えてくれた。
「弱っている奴を叩け!」
「相手に激痛を与えるレートで叩け!」
など、強烈なものばかりだが、それはそれで、うなづけるものばかりだった。
ある日、私は彼と同卓する。
彼は調子が悪いようで、かろうじてラスを引かないように頑張っている。
その彼と正反対に、私はなぜか理不尽なほど、絶好調。
タンヤオドラ1を仕掛ければ、赤ドラが2枚降ってくるし、
リーチをかければ、裏ドラモロのりだし・・・
私のかごは、色とりどりのカードで溢れた。
「そのカード1枚貸してもらえませんか?」
と彼が、唐突に私に話しかける。
必ず返すから、貸してくれ、というのだ。
だが、彼のかごにも、まだカードはたくさんある。
わたしに借りる必要などないはずだ。
私は、怪訝に感じながらも、500円のカードを彼のかごに入れた。
ランキングに参加。クリック!クリック!
<→
麻雀 ブログランキングへ