字牌を抑える
ますたぴょんの対局は続く。
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生活に支障のない麻雀。
安全圏での痛みのない麻雀。
自分の麻雀への情熱は、いつしかどこかにきっと霧散してしまっていて
今はその残滓にすがり付いているだけだ。
ますたぴょんと離れてから10年、
もし、私も自分の麻雀をちゃんと磨いていれば
違う現在があったのだろうか?
そう考えていると、七ワンが入った。
五六七⑤⑥5568南南南発中
ここから、発や中を切るのであれば、イーシャンテンだ。
だけど、ますたぴょんは、平然と8ソウを抜く。
五六七⑤⑥556南南南発中
発や中を切らずにどうやって和了するつもりなんだ。
字牌とか止めているのは、ますたぴょんだけだ。
みんなが、止めない牌を自分だけ止めてどうするの?
場に合わせて、少しくらい自分の麻雀を譲ってはどうなんだ!
とまで、思う。
自分が勝ちたい、とかそういう気持ちを理由に
牌を安易に切り出さないことは、本当に長い目でみると
素晴らしいことだと、思う。
でも、現在、ここ一番この勝負どころで、
和了しなければいけないこの大事な局面で、
そこまでストイックに自分の麻雀を貫かなくったっていいだろう?
例外、ということでいいじゃないですか?
今回は、大会なんだから、例外。
そう思う私をよそに、
ますたぴょんは冷静に打牌を重ねる。
本人が納得しない麻雀に価値はない。
例外を認めてしまっては、それはますたぴょんの麻雀ではない、
そういう麻雀で勝っても、何の意味もない。
ということなのだろう。
その次巡、中が重なる。
五六七⑤⑥556南南南発中中
いまさら遅いって。