鉄鳴きでしょ?
ますたぴょんの対局について
再録の依頼がありましたので、連続再録いたします。
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西風荘のときから、お世話になりっぱなしの
ますたぴょんが、某大会の本戦の為に、神奈川へ。
その観戦の為に、会場へ相鉄線は走る。
午前中の所用があったことと
数年前に一度足を運んだきりの、その大会へ場所への
足元が暗いこともあって、観戦はその途中からとなった。
「もし、決勝にあがれなかったなら、
腹を抱えて笑ってやろう・・」
そう思いながら会場につき、ますたぴょんをみつける。
ほんのちょっと、真剣な表情。
「思えば、ますたぴょんのガチ実戦って観たことないな・・」
そうなのだ。勝手な思い込みだけれど
いつも、勝つこと以外にも目的があり、
牌を抜いているイメージが強い。
本気の麻雀を観てみたい、そう思い
「声をかけないほうがいいかな? 」
と躊躇していたなら、ますたぴょんと目が合った。
これまで、1回戦2回戦のますたぴょんの成績は
このままいけば、決勝に届きそう。
現在東3局で、47000点くらい持ってる。
私が観戦することで「ながれ」が変わらなければよいけど・・
(そんなオカルトありえません)
絶好のカン⑥を引いて、
二二⑤⑤⑥⑥⑦⑦23456
こんな形でリーチ。
あまり、ツモ和了を確信しない限りリーチを打たない
そういう麻雀であるますたぴょんが、リーチ、ということは
できあがってるんだろう。
そう思っていたなら、トイメンの親に無スジを押され
ドラの七ワン高めで、58000を振り込み、
その次局も、仕掛けて捌こうとした結果、上家のリーチに
安そうな9ソウが三色高めに8000点の振り込み。
上家は8ソウをツモるときに、牌離れが悪かったし、
リーチ!の声も大きいことから、3面待ち、369ソウで
在る可能性が高いことくらい、ますたぴょんにわからないはずはない。
あれ?なんかまずくない?
これ、差し込みにいって、高かった、ってやつだよね。
残り時間と自分の親番を鑑みての仕掛けがかみ合ってない。
確かに、敗退したなら(腹を抱えて)笑ってやろう、なんて
イジワルなことを考えはしたけれど、
本当のところ、どうやらそれは違う。
やっぱり、当たり前に優勝してほしい。
観戦していてそう思わずにはいられない
オーラのようなものを、ますたぴょんから、感じる。
さらに親番に4000オールをツモ和了された
たこなぐりふるぼっこ。
ロープ際の幕の内である。
私が観戦を始めた瞬間から、20000点くらい点棒落としてる。
東ラスの南家2本場5巡目、
③③③⑤⑤⑥⑦667発発発
このシャンテンに上家が⑤を切る。
「よっしゃ、ますたぴょん!仕掛けるんや!」
私は電波を飛ばす。
その強烈な電波をしらんぷりして、
ますたぴょんは、ノータイムでその⑤スルーした。(文章おかしい)
そういえば、このひとは、こういう安い鳴きはしない人だけれど、
いくらなんでも、今回は鉄鳴きでしょ?
思わず、後ろから発声してやろうかな?と思ったけれど、
それは、観戦マナーに反するので我慢。
もしかして、私が観てるからかっこつけてるのかな?
いや、でも、ますたぴょんは、
麻雀でかっこつけたりとか、
わざわざ言い訳できる土俵を準備したりとか、
そんなことはしないはずだ。
今まで、一度も言い訳なんて聞いたことないし・・。
でも、これは・・・
下家が58ソウをツモ切るなんてことになれば、
完全なる和了逃しではないか・・
ああ、ますたぴょんが、天鳳を打ってさえいれば
こんなことにはならなかったのに・・・
そう思いながら、ツモ山に向かうますたぴょんの指先を見つめる。