冴えてるなかにゃんの育て方(続) [冴えなか]
「優しい人間は、麻雀、強くなれない。」
何度も耳にしたその言葉を、私は好きではない。
本当の強さとは、優しさの先にあるはず。
強くなければ生きて行けない。
けれど、優しくなければ生きる資格はない、ってやつ。
なかにゃんをイッチョ前の麻雀打ちのするまで、引退はできない。
せめて、自分と同じくらいの麻雀は打てるように、
彼ほどの麻雀への愛情があれば、造作もないことだ。
なかにゃんは、ドリーミーな麻雀を打つ。
とにかく手牌を最高形へ、最高形へ、と。
まあそれは、麻雀の醍醐味で一番楽しいところなのだけれど
やはり、やりすぎはダメだよ!なかにゃん!
5200点で十分なオーラスなのに
③③五五南 ポン⑥⑥⑥ ポン東東東 ポン北北北
ここから、五ワンを切ることは、やりすぎ!
8000点で、十分な状況なのに
②②③⑤⑤⑥中 ポン発発発 ポン白白白
上家から出た、④を
④②③この形で仕掛けて、
⑤⑤⑥中
大三元の目を残す。
気持ちはわかる。気持ちはわかる。
けれど、夢はいつか、力強い現実に変えていかなければならない。
もちろん中を引いて続けて引いて
⑤⑤中中 ツモ中 チー④②③ ポン発発発 ポン白白白
大三元。もそんなに夢ではない。
けれど、麻雀は最高形を競うものではないんだ。
最高形を狙いたい気持ちを括りつけて
大地に根を張る決断をしなければならない。
その我慢の積み重ねも麻雀の大切なこと、なのだよ。
夢は、一度着陸させなければ、次の時代は始まらない。
そうして、人は本当の意味で、生きる力を培うものなのだ。
麻雀を愛しすぎている。
夢を見て、何が悪い。その気持ちもわかる。
麻雀くらい夢を見たい。その気持ちもわかる。
でもだからこそ、
麻雀でも夢を見て、夢をみたからこそ紡げる
夢描いたものとは違う姿かも知れないけれど
重厚な和了を時代に刻みつけよう。
役牌、トイトイも、
役役混一色も、素晴らしい和了なのだよ。
役満より美しいノーテンもある。
夢やぶれた姿もまた、夢があったからこそ、価値があるのだ。
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