はじまりの麻雀物語 [麻雀小説]
いつものように、予備校に出席カードだけを通す。
政治経済と、現代文以外の授業はすべて、さぼり。
英語とか、なんだか日本が敗戦国であることを思い知らされて嫌だった。
戦争に負けたこと。
原爆を落とされたこと。
戦勝国であれば、勝てば官軍じゃないか?
何なんだ、この国は?
と大した勉強もせずに、そういう穿った考えを持っていた。
学び、学び、学び倒して、それから、考えるべき大切なことを、
深く掘り下げることもせず、口だけは達者。
最高にひねていた。
誰かの壮絶な歴史の結果、
現在の自分がここにある、ということなど、考え及ばない。
学んでいないのだから、知る由もない。
知らないし、知ろうともしない。
いつものように、ゲームセンターで、麻雀ゲームをしていた。
予備校生の分際で不謹慎だ、と思いながらも、麻雀がおもしろくて仕方なかった。
当時の麻雀のゲームは、1プレイ100円。
麻雀は、大人のゲームだから、その料金設定だったのだろう。
私のその当時のお小遣いは1日500円。
お昼を肉屋のコロッケで済ませたりして、そのゲーセン代を浮かせていた。
大切な時間。
手牌が組みあがっていく様子に、心を奪われる。
1打1打を真剣に悩みながら遊んでいた。
「おう、なんしよるんか?」
背後から声がする。
「なんか、おまえ、麻雀できるんか?」
Sが、ニヤニヤしながら、話しかけてきた。
リーゼントが似合う色白の美男子S。
まあ、現在でいうところのイケメンというやつだ。
Sは、パチスロが日課だった。
「アニマル」という台のモーニングサービスを取るという日課。
モーニングサービス、というのは、パーラーがあらかじめボーナスを仕込んでおくこと。
1000円、というか、ひとまわしで、ボーナスが揃う。
しかも、この「アニマル」という台はキョーレツな連チャン力を持つチート台。
Sのサイフには、いつも30万くらいのお金が入っていた。
7枚交換が主流だった24年前にも関わらずだ。
「よし、今度、麻雀やるか?」
そうニヤニヤしながら、口にするSに私は答える。
「いますぐやりたい!」
麻雀について教えて欲しいことがたくさんあった。
イーシャンテンって何?
跳び満って何?
おおはしきょせんって麻雀強いの?
ネットなどない時代。
しかもカーストは「予備校生」
「麻雀」なる未知なるモノ本当に私はもう夢中だったのだ。
「他にも、麻雀したっちいいよるヤツおるけ、麻雀しよう!」
Sに詰め寄る。
サイフには2,000円くらいある。
多分、お金は心配ない。
この日の夕方は、古本屋に麻雀の本を買いにゆくつもりだった。
もう、自分が予備校であることなんか、忘れていた。
「いいけどよ。麻雀打つっち言っても、どこで打つんか?」
「・・・・・・・・・・・・・」
押し黙る私。
「Sんちは?」
「バカ言え、無理やわい。」
残念そうにする私を気の毒に思ったのか、
Sはしょーがねえな、という感じで口にする。
「雀荘、行くか?」
雀荘、?
その響きにドキドキした。
「行く!行く!連れてって!」
これから牌に触れることができるなんて夢のようだ。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
私は、予備校に向かって全力疾走する。
自習室のドアを開け、もう勉強に飽きているであろう手頃な友人を二人
半ば無理やり付き合わせ、Sについて雀荘へ向かった。
大学受験まで、あと11ヶ月。
受験戦争に突入する前に、完全に道を踏み外したその瞬間だった。
つづく
*このあたりの記事は、時系列的に過去のものを修正したものです。
アニマル
いっぱい出て危険なので、Gのシールをはった
アニマルG(がんばれ!)に改修された。
Gは、本当に頑張らないとどうにもならなかった。
S曰く、「目押しをしなくても、7が天井から降ってくる。」
「そんなバカな?」
と思っていたけど、右リールの7絵柄は、8コマくらい滑ってくる。
(*リールは2号機も4コマしか滑りません)
ボーナス中は、ふぃーよんふぃーよん、と音がする。
その様子と、7の図柄の美しさは、打つものを魅了した、という。
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とりあえず
てきとー←に直しますた(。-_-。)w
by 忍 (2014-09-20 23:35)
てきと、でしょ?
by ゆうゆう (2014-09-21 01:04)