鳴けない理由

ブルーマウンテンのアメリカンな香りが鼻腔をくすぐる。

カフィの香りは、麻雀によく似合う。

コーヒーが全く飲めない私は、オレ。

「かふぃー、オレ」を脇に東一局、親の配牌をとる。

二二四八八九⑤⑨２３東東南南

１打目、⑤

三ワンを引き打つ⑤

二二三四八八九２３東東南南

東や南が打たれる前に１ソウを引けばチャンタ。

でなければ、南からでも仕掛ける。

間に合う間に合わないではない、当たり前のことだ。

南を仕掛けた数巡後、以下の形。

二二三四八八東東東白　ポン南南南

ダブル東もアンコウで組んで、１２０００点。

マンズを

二四東東東白八八二三　と並べる。

三ワンから仕掛けることができれば、盤石だと思っていた。

マンズの下は、四が私から、３枚、一が２枚見えていて、取りやすい。

だから、一二三四すべて仕掛ける。（二はポン）

こんなの考えるまでもない、当たり前のこと。

だのに、上家の切った一ワンを見送ってしまった。

6枚目の一四ワンをスルーしてしまった。

刹那、「あれ、でも、トイトイがなくなっちゃう」

そんなわけのわからないことを考えてしまっていた。

ばかでしょ？死ぬわ。

本当に自分をぽかぽか叩いてやりたい。

自分で自分が何をしているのかわからない感覚。

仕掛ければ、他家には親リーチなみのプレッシャーをかけることのできる。

これを、スルーしてしまう。

受けの牌としても、（東一局、このテンパイを受ける必要なんて全くないけど）

東がアンコウだし。

次巡、上家の切り出す三ワンをチー。

この三ワンは一ワンを仕掛けていれば、和了牌となっていた牌。

二四八八東東東　　チー一二三　　ポン南南南

当たり前のことが、本当に当たり前にできなくなっている。

ジェットコースターに乗って、地上についたときのような、

飲みすぎて、えらいことになっているときのような、

財布をおとしたときのような、そんな

うまく歩けない、そんな状態。

こうなると、俄然、麻雀がまた面白くなってくるから、不思議だ。

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