かっこつけたいお年頃。

 後ろで、Nにゃんが観ている。

Nにゃんは、シミケン親分のオヒキ。

これは、今後のバイニン生活の為にも

なんか、それらしいことしなきゃいけないんじゃないの？

局面は、こんちくしょーな、シミケンがぶっちぎりの独壇場。

南3局最後の親。

シミケンにいいように抑え込まれて、なんとか押し返したい、と思った地点で

実はもう負けているのだ、そうなのだ。

ドラは絡んでいない。

五六⑤⑦⑧⑧１２３４５６７

にツモ９ソウ。

五六⑤⑦⑧⑧１２３４５６７９

 1ソウと9ソウを切り出してタンヤオと三色。

⑥はいそうだし。

けれど、シミケンが2巡目に8ソウをツモ切っているのだ。

この８ソウで目にものをみせてくれるわ（とおもった地点でもう負けてる）

むりやりイッツーへ。

しかも、イッツーはシミケンのふぇばりっとほーるど。

イッツーを得意とするシミケンにイッツーで返す、ということは

きんにくバスターをきんにくバスターで返すのとおんなじくらいの破壊力があるはずだ。

むりやり、イッツーじゃーい。で、打⑤

次巡ツモ⑧で、打⑦

五六⑧⑧⑧１２３４５６７９

次巡、ツモ５ソウ。

なんとここで、⑧を切るかと思いきや、５ソウツモ切り。

（1ソウや９ソウでもよさそう）

完全にイッツーにとらわれ過ぎてアカン感じになっている。

もう一発5ソウをツモ切りして、七ワンツモ

五六七⑧⑧⑧１２３４５６７９

ここから、⑧を切ってリーチ。

けれど、８ソウは和了できなかった。

流局時の私のテンパイ開示をみて、鼻で笑うシミケン。

「おうおう、その5ソウ切りに８ソウだけは打たへんで！ああーん？」

というシミケン。

その日は、アンコウの①を外したなら、シミケンの①単騎に刺さったり

なんだか、不思議なことが続いた。

しかも①はあらかじめ、対シミケンリーチ用の安全牌として確保していた牌だった。

安全牌が和了されるという摩訶不思議。

まるで、自分の手牌が見透かされているかのようだった。

まさか！ヒラッコ以外御法度のつかさ会で、ワザを使ったのだろうか？

いやいや、そんなはずは。

お引きのℕにゃんに通しをさせたのだろうか？

いやいや、そんなはずは。

ワザの勝負、となれば、私はもう太刀打ちできない。

私の使える奥義はファミコン神拳くらいなものなのだから。

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