続、麻雀回顧録 [ミニリレー小説]

つ会、5日午後1時より。


タヒコは、私の住んでいる場所から70キロ位離れたところに住んでいる。

国家資格試験に向けて猛勉強をしている。

電話をかける。

「いいよ。で、おれはどうすればいい?

普通に打てばいいんやろ?」

私は、

「普通に打ってくれればいいよ。

あとはこちらでなんとかする。勝っても負けても折半な?」

と返す。

タヒコの麻雀の質は私が一番理解をしている。

「信じろよ?」

そう重ねる私にタヒコは、

「うん、わかった。」

と返す。

夕刻7時。

タヒコが到着。

私は、2つの策があった。

ひとつは、タヒコに先攻させ私が捌くという方法。

もうひとつは、私が先攻してタヒコを飛ばす、という方法。

私は、前者を選択した。

というのも、結果「スコアが芳しくない」とタヒコは分前を受け取らない可能性が高いからだ。

それでは、あまり意味がない。

勉強になるなら、負けても良い、と口にする相手。

ならば徹底的にやっつけるだけだ。

駅から少し離れた、歓楽街。

その辺りにある高級麻雀店。200円のフリー麻雀店。

そこで対局することとなる。

場代だけでもとんでもないことになりそうだ。

待ち合わせ場所に現れたドンさんの隣にいる男の姿を見て嫌な予感がした。

ドンさんの連れ。

200円のこの店への入店に抵抗がない。

場慣れしているのだ。

「やばい、打てる人来た。」

そりゃそうだ。

勝算もないのに金を賭ける人間などいるものか。

ドンさんだって、実は結構打てるのかも知れない。

けれど、私はタヒコの麻雀を熟知している。

それだけは、自信がある。

「人読み」

これだけが、唯一の私の武器。

大丈夫、一人じゃない。

自分にとって一番信頼のおける友人と挑む一戦。

血がたぎるのを感じる。







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