最強リーチ!
目が覚めれば、お休み。
明日も明後日も、ずーっとお休み。
バイトで稼いだ種銭と、
毎朝、ラスベガス(パチンコ店)のモーニングの換金(注意:1)。
お金には困らない。
その日の麻雀の場所代さえあれば、問題ない。
2.3か月たてば、大学が始まるけれど、
大学が始まったところで、
パチスロ→麻雀が、
授業→麻雀
となるだけのこと。
今思えば、学生時代って天国だったんだな。
あの頃は、麻雀は運だと思っていた。
ツキのやり取り、ばくちだ、と。
けれど、ずっと麻雀から離れずにいて
麻雀は運ではなく、積み重ねだ、ということを知る。
学生時代には打てなかった牌を
現在の私は紡ぐことができる。
ほんとだよ。
みせてやんよ、おれの30年の重さ。
そう、最強リーチ!ってやつをよ・・
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東場
下家が、調子ぶっこいて親リーチを打ってきた。
その数巡後
対面も追いかけリーチ。
ドラは2ソウ
私は、タンピンのシャンテン
二三四五五六245④⑤⑥⑧⑧
ドラスジは切れないので、打⑧
切ってもいいけど、ロンとか言われたら、悔しいからさ。
次巡六を引いて 打⑧
二三四五五六六245④⑤⑥
3ソウを引いて
現物打二ワン
三四五五六六2345④⑤⑥
マンズは安くソーズは危険。
次巡ツモ ドラ2ソウ。
三四五五六六22345④⑤⑥
きたー。ドラの2ソウを重ねての最強リーチ!いくぜ!
念のため、現物の六ワンを切る。
三四五五六22345④⑤⑥
完成!
今年最初の最強リーチ!
芸術の域だろ、これ。
親リー、を含む2軒のリーチに対しての追いかけリーチ!
最高に気分が良い。
「激安のマンズ、掴みやがれ~!」
親も、対面も四七ワンは掴まない。
いいや、ツモるから!
そう思ってツモを繰りかえすも、マンズはいない。
数巡後、ドラの2ソウを掴む。
げ!
「ロン!」
「ロン!」
ハモられた。
げ!
そういえば、ダブルロンアリのくそルールだった!
親のカン2ソウと
対面の2ソウ単騎チートイにぶち刺さる。
やってしまった!
リーチの必要はなかった。
三四五五六22345④⑤⑥
これは、最強リーチではなかった。
ここに2ソウをひいて打五ワン
三四五六222345④⑤⑥
この8000点のダマに受けて
四五六2223456④⑤⑥
このテンパイ!
これこそ、最強リーチだ。
私に振り込んで「がっかりした同級生」の顔を
はやくみたい、その気持ちばかりで
麻雀をちゃんとはかれていなかった。
三四五五六22345④⑤⑥
このテンパイは道の途中だ。
学生時代とは違うリーチが打てる!
などど、調子ぶっこいておきながら
このていたらく。
どんな時も、「いまひとつ」冷静になる
習慣をつける必要があるなあ、と反省することひとしおである。
「今日の晩御飯くらいは、ごちそうになるぜ!」
と思っていたのに、そうは問屋が卸さずある意味、ふるぼっこだった。
最強リーチではないのに、それを
最強リーチと勘違いするなんてことあってはならないことだ。
「これ、設定⑥じゃね?」
と勘違いしたり、
「これ、内定取れてるんじゃね?」
と勘違いするのと同じくらい
お恥ずかしい勘違いである。
私が、「真の最強リーチ!」を打てるレベルの打ち手だったなら
君たちの待ちは、「純カラ」なのに!
ダメだ、こりゃ・・・
長介が耳元で囁く。
麻雀は、心の置き所で、その姿をかえるから
本当にむつかしい。
まあ、楽しかったけれど。
注:1→当時のパチンコ店は、モーニングサービスといって
店が大当たりを仕込んでくれていた。
メダル3枚で、大当たりを引ける。
要するに、毎日5,000円間違いなく勝てる、ということ。
調子のよい日は、モーニングを2台取ったりして、
とにかく小銭には困らなかった。
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