麻雀の温度

それぞれに打ちたい麻雀がある。


自分の打ちたい麻雀は、


どこまでも果てしなく遠く。


歩いても歩いても、どこまでも、いつまでも、ふもと。


。。。、、、、


都内の高層ビルから、夜景を眺め、


嗜む習慣も持たないワインを飲む。


赤いワインのむこうに揺らぐ景色。


その色は、赤ウーピンではなく、


やはりシャア専用ザクの機体の色に近い。


孤高な峻烈な赤。


その一年をねぎらう。


歓談の中で、ワインの話になる。


「ワインはね。魔法だよ。


そこには夢がある。」


人生の節目をワインと生きてきた


紳士は教養のある柔らかい笑みを浮かべる。


その年その年で生まれるワインは違う。


同じワインには2度と遭えない。


たくさんの想いと文化が詰まっている。


私は、麻雀のこと、を思った。


一期一会の牌との出会い。


ひととの出会い。


ひとつの人生では、同じ景色に出会うことはできない。


それが、愛しかった。


大事にしたい、と。


けれど、言い訳のなかでまるで


いつくしむことが、できずに


結果、なにひとつ意味を持たせることができずに


何もできずに、時間に流してしまっている。


「麻雀も、そうなんです。


ワインと同じです。


たまらなく愛しい刹那。


そう、魔法で、夢が詰まっている。」


私は、その紳士に、そう返すころができなかった。


自分の半生をかけた麻雀への想い。


それに、まったく意味がなかった、とおもい始めている。


それは、同時に自分の歩んできた、すべての過去への睥睨。


積み重ねているつもりで、


何も積み重なってなかったのだ、と。


全ての景色が、色をなくす。


セピア色だ。


私は、峻烈なワインの色に羨望のまなざしを向ける。


孤高な色。


強い信念の色。


もう一度


ちゃんと、打牌と向き合って


ちゃんと、同卓者と向き合って


理屈や、言い訳で麻雀をごまかさずに


虚栄心や自己満足に侵食されないように、


もう一度、向かい合えるだろうか。


現在は、本当に麻雀が不思議なほどつらい。


こんなことは今までなかった。


意味があった、とりつくろうことはできる。


でも、それは、違う。


ちゃんとできないなら、その気持ちがないなら、


自分はきっと、もう、麻雀を打つべきじゃない。


どうすれば、大切にできるか、がわからないのだ。


 


 



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