いつもの卓で

長く眠りすぎたときには、

だいたい麻雀の夢を見る。

いつも、どこかで、麻雀を打つ約束をしていて

そこに向かっている夢。

 帰省していて、あと、2時間くらいしか

故郷にいることはできなくて、

それでも、みんなのいる雀荘に顔を出したい。

そう思って、懸命にクルマを飛ばす夢。

もう、その思い出の雀荘はなくなっていて

仲間もみな、麻雀から離れていってしまっている、

というのに、目を閉じれば、いつも

その光景ばかりが浮かぶ。

麻雀に使った時間は、膨大で、確かに効率は良くなかったかもしれない。

けれど、その麻雀をこうして思い出して

慈しむことができるだけで、

慈しむことができる思い出がある、ということが

実は、最大限の人生の価値なのかも知れない。

現在の麻雀も、いつか、遠い未来、

慈しむこととなるのだろうか?

で、あれば、きっと、そこにこそ価値がある。

もし、あの時あの場所での

 いつもの卓での対局に戻ることができたなら、

きっと、一秒一秒を、これでもか、というくらい

大切に打つだろう。 

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