描き直し!タンピン国士無双 [麻雀小説]

南2局。

画像の捨て牌で、ひろりんが⑤を切ってリーチ。
11.jpg

九①西9⑨五

タンピン系か、チートイ。

ドラの北を二枚持たれている可能性が高い。

我々は、必死で受ける。

ひろりんが、一発でツモらなかったということは、ロン和了狙いだ。

そして、終盤。窮して離したどいんの四枚目の東が、国士無双に突き刺さる。

48,000点。

なぜ?なぜ?

この状況で国士狙いなどありえない。

我々は、狼狽え、ひろりんに問い詰める。


我々の、問いにひろりんは粛々と答える。

もう過ぎ去ったこの1局を完全に再現する。

我々の失策も露呈する。


とにかく、東場から、わしの形はよくない。牌が動いていない。

また、みんなの形もよくない。

全員の捨て牌が、そう教えてくれちょるじゃろ?

強い牌の周りが全然動いちょらん。

南場に入ってからもそう。仕掛ける絵が来ない。

特に、国士を狙う直前の1.2局は、シュンツ手を狙うことが難しいと、牌が教えてくれちょる。

じゃから、親番は、国士とチャンタとチートイ、そして国士の天秤。

何牌がツモッてみるんじゃが、強い数の周りが動かないので、最終的には、国士無双のテンパイ。

配牌で、8種9牌じゃから、国士を狙う。そんなのは麻雀じゃなかろう。

誰にでもできるポンジャンゲームじゃ。そんな楽な麻雀はつまらん。

わしは、そう思う。

もっと、大きく大きく捉えなさい。目の前にある物が全てじゃないじゃろ?

この国士も単なる結果にすぎん。そこに至る過程を大事にしなさい。それが麻雀じゃ。

4枚目の東で、国士無双に放銃したどいん。

ドラといつのチートイも注意して受けていたが安牌がなくなり、迷惑をかけまいと止めていた東を切る。

 今でこそ、「あの東はぬるい」と笑いながら話せるが、当時はたまったものではなかった。

ひろりんの思考を尋ねて、我々は恥ずかしくなる。

和了そのものよりも、努力の積み重ねがすごい。1牌1牌が、とてつもなく重い。

ただ、牌を絞っていただけの自分たちの努力不足を心から恥ずかしく思った。

ひろりんが、なぜ、ノーレートで、そこまで魂を込めてくれるのか、今はとてもよく解る。

ひろりんは、我々に自分の大切な「麻雀への想い」を本気で伝えてくれようとしていたのだ。

この頃の対局は、1つ1つが、もう二度とあいまみえることは敵わない師との、揺るぎない絆となる。


国士テンパイ時も、対局者にチャンタや、イッツーを意識させるように手牌を並べる。

もちろん、和了時には理牌。

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どいん

この捨て牌で国士はありえんやろ(;´д`)

ひろりんの努力と工夫が産み出した河という名の芸術に俺達は完全に魅せられた。

ひろりんの意識は俺達の遥か上にあること、麻雀の奥深さを思い知らされた。

あの時の衝撃と"快感"は今でも忘れん。

この東、確かにぬるいっちゃあぬるいけど相手がひろりんなら今でも打ちそうやな(;´д`)
by どいん (2012-06-09 23:08) 

ゆうゆう

いつも、「負けてあたりまえ」

と思って打ってたもんね。

「絶対に負けるもんか!俺には俺の麻雀がある!」

と思って、対局に臨むことができて初めて

俺たちは、ひろりんから、卒業なのだと思う。

もちろん、その内容をひろりんが評価してくれなければ

意味はないけれどね。

いつかの、どいんの中のみ1000点のように。


by ゆうゆう (2012-06-10 14:46) 

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