おかねがない [閑話休題]

 


麻雀のマンガとかだったなら、


「お金がない、払えない」


となると、店の裏によびだされて


ぼっこぼこの、ぼこぼこにされる。


今回のわたしは、どうなるのだろう。


わたしのスコアはマイナス194。


19,400円


このあいだ、39,000円うしなって、今回19,400円


わたしの手持ちが、9,000円。


しかも、ここの場代もある。


どうしたらいいのだ。


ぐぬぬぬぬ。


でも


Yにょに借りをつくることだけは、


地球が砕け散っても「いや」だった。


きっと、わたしの顔はまっさおだった、と思う。


しろい点数記入用紙をYにょが掴み、


おどろくほど嫌味もなく


「おれの一人勝ちやの」


と、誰に聞こえるでもなく、つぶやいて


最初から、そうするつもりだった、といわんばかりに


「ゲーム代はおれが持つぞ。」


そして、


Yにょは、興味なさそうに点数表を見て


点ピンっち言ったけど、点5でいいぞ。


あと、負けは、貸しにしとくわ。」


わたしは、悔しかったけれど、


Yにょに何も言い返すことはできなかった。


だって、Yにょをむしろうとしていたんだもの。


ただ、借りをつくることはいやだった。


なんか、いやだった。


とりあえず、自分の持っている分くらいは


払わないと、渡さないと天罰が当たる気がした。


わたしが、


「とりあえず、ほら。」


と、負けてるくせに偉そうに


8000円を出すと、


(小銭まで出すことは貧乏くさかったので)


「いつでもいいんぞ、余裕のあるときで」


と、大富豪なYにょの返事。


ほんのちょっと意地になってしまって


札を仕舞わない私に、しょうがないな、とのそぶりで


そのなかから、


「じゃあ、これ、もろちょくわ。あとはいい。」


と一番偉いお札である5,000円札を持っていった。


2万近い負けが、5,000円で済んだ。


ほかの2人も、数千円をYにょに払って


初めてのセットフリーは終わった。


Yにょのお情けのおかげで。


屈辱だ、とは思わなかった。


Yにょは悪くない。私が弱い。


だって、全然 歯が立たないのだもの。


私の麻雀は、話にならないのだ。


いくらシラケンに憧れたって、麻雀が強くなるわけではない。


しょんぼりしている私を気遣っているのか、


Yにょは、自身の学生生活を語る。


ぼんやり聞き流しながら、私はYにょの軽の助手席に


乗り込み、帰路につく。


手持ちは・・・よくわからないけど、あと二・三千円くらいしかないはず。


「なんか、食うか?」


Yにょの声がする。


わたしは、あまりおなかはすいていなかったのだけれど、


(さっき、はらいっぱい食べたし)


このまま帰りたくもなかったので、


少し離れたうどん屋まで、Yにょとドライブをすることにした。


なんだか、ひとりで舞い上がっていたことも含めて


とても情けない気持ちでいっぱいだった。


お金がない。


持っていて使わないことと、


持っていないこと、では、全然意味が違う。


そして、失ってしまったものは、もう戻っては来ないのだ。


 


 


::::::::::::


Yにょとの旅打ち、再録しました
http://wing6877.blog.so-net.ne.jp


 


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