優しさの降る夜 [九州麻雀ほうろうき]

旧交を深める。そういう目的での忘年会。

懐かしい顔が並ぶ。

麻雀のはなしになる。

「そういえば、あの頃、麻雀ばっかりだったな。」

「憩荘のかつ丼うまかったなあ。」

「おれ、相当払ったぞ!こんちくしょう!」

なんだか、雲行きが怪しくなっていた。

30年来の友人である彼らと私は麻雀のハナシはしない。

なぜなら、友人だからだ。

自分のことを、わかってもらおうとする、そういう必要などない絆がある。

みな麻雀に夢中になっていたそういう時代もあって、そして

それぞれが、それぞれの道を歩みだしたとき、私は牌のそばを離れなかった。

これは私だけの物語だからだ。

かれらの麻雀談義に、和了や場の局面のはなしはでてこなかった。

すーかんつ。天和。字一色七対子。

あいつが嶺上からほりおこして振り込んでくれたカン二ワンのいっつーまで

わたしは昨日のことのように覚えているというのに。

最後の半荘の東一局はおれの親番で、

ドラは八ワン。ペン七ワンを一発ツモ。

赤と裏ドラ八ワンの6000オールだった。

「おまえに相当払ったぞ!」

わたしは、ただ笑っている。

知ってるよ。収支つけてて俺はただの一度も負けてないもの。

あなたがたの打ち筋まで研究していたんだから、負けるはずがない。

「麻雀ばかり、時間を空費したなあ。」

「仕方ないよ、楽しかったんだから。」

会話が続く。

そう、楽しかった。

だから、俺は麻雀が好きになったんだ。と、心でつぶやく。

「俺は、むしるつもりはなかったぞ。レートをあげなかっただろ?」

まったく飲めないけれど、くろうとぶって頼んだ熱燗をぐびり、とやる。

そう返すと

「そうだな」

と優しい声音が返ってきた。

同じ時代に、牌を握った仲間はもう私の記憶の中にしかいない。

「今度、ひさしぶりにやろうか?」

なんてハナシはでてこなかった。

もう、麻雀は昔の物語なのだ。

自分の選択が、どうなのか、そんなのわからないけれど、

まだもう少しだけ、麻雀のそばにいたい。

そして、そういう自分をちょっと誇らしく思った。

麻雀といっしょで、俺の人生よかったんじゃない?

不思議と心からそう思った。

2次会にむかう彼らと別れ、透明な空気に吐息を曇らせ帰路につく。

ふとどこかで、あの頃のまま、あの頃の我々が卓を囲んでいる気がした。

そういう情景もすべて愛してやまない、そういう優しさの降る夜だった。

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つかさ会。どようび。1月3日も開催。よつば会にて。

きっと、大天使の生誕祭はなく、麻雀を打つそうです。

会場などの情報は、こちらをクリックしてください。↓

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