鳴くべきか？

打牌に意味を持たせることは、思い上がりだと思っていた時期もあった。

けれど、やはり自分で「意味は薄い」と思う打牌は重ねられない。

もしも打牌に証（あかし）というものを刻めるとすれば

やはりそれは「意味を持たせるという強い意志」ではないか。

ここのところの思考錯誤の結果、やはりその打牌については、頭がひっくりかえるくらい考えるべきだ。

結果「意味を持たせたことを理由」に甘えてはいけない、そう考え直すにいたった。

この打牌には、意味がある。

これだけ意味を持たせたのだから、正しい、エライではなくできることを準備。

全てやって、可能な限り意味を込めて、あとは天命を待つのだ。

そうして、その結果を謙虚に受け止め未来へ繋ぐ。

これだけ、攻めると、ラス落ちまである。

でも戦わないと、同卓者の温度に呼応できない。

チー五四六

カン五で鳴く理由は、４５６の三色。

食いタン。

そうして、二と八をブラインドにすること、である。

手の内の南とまだ場に一枚も出ていないドラの白。

前途多難ではあるが、それでも、この卓で一番最初に仕掛けたのは私である。

チョー愚形ではあるけれど。

一三五七七九２４南北　チー五四六

ドラ表示牌として一枚見えている中を切る。

もしも、中を２枚抱えていて決断を逡巡している他家がいるのならば、

場に２枚目のこの打中は、ここで決断を強いることができる。

この仕掛けには、戦うという意思を込めた。

南を切り出すことが叶えば、また、ドラを掴まなければタンヤオもほんの少し見込める。

この仕掛けに対して、下家のS場会長が、ソーズをはずず。

５ソウ、４ソウのターツはずし。

ピンズにシフトしている。だが、２ソウ含みのトイトイもある。

私の仕掛けをタンヤオではなく、マンズ、だ、と踏んでいるようだ。

あわせて、シミケンもソーズを打ち出す。

２巡後

上家から八．

チー。

一三五七２４南北　　　チー八七九　　チー五四六

打４ソウ

上家のなかにゃんから、五八と２枚

マンズのこの部分は１メンツ組まれている。

ということは、マンズの上でのメンツ構成は七が私の手を含めて３枚見えている以上、タテ以外ほぼ無理。

この情報はありがたい。

マンズの上は七ワン以外セーフティだ。

下家のS場会長から６ソウ。

おいおい１メンツ切り出してきやがった。

よっぽどピンズが強いのか？

いや、私がマンズ仕掛けなので、ピンズのこぼれを待っているのだ。

ピンズは現在私の手の内に一枚もないけれど、ピンズを受ける準備もない。

そうして、ついに

上家のなかにゃんから、打六

六ワンたんが切り出された。

一三五七２南北　　　チー八七九　　チー五四六

鳴くべきか？



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