究極の国士無双 [麻雀小説]

満月が歓楽街の外れにある、屋台を優しく照らす。


「なあ、国士無双ってあるだろ?」

くたびれきったサラリーマンがおもむろに口にする。

「ああ、麻雀の役だな。」

となりでカップ酒を齧っていた男が、所作なく返す。

「その国に並ぶ者などいない強者という意味らしいけど、麻雀の役だと少し意味が違うんだ。」

と、続けるサラリーマン。

「麻雀でいう、国士無双っていうのは、弱者に残された最後の希望なんだよ。

使いものにならない19字牌。このてんでバラバラのクズ牌を13枚集めると、最強の役になる。

どうしょうもなくツキに見放された人間への最後の救いの役なんだ。

なんだか、ロマンチックだと思わないか?

最低最悪の不遇な逆境を、最高なチャンスに変えることができる。」

サラリーマンは、誰に伝えたいという風でもなく、小さな声でつぶやいた。

「麻雀っていうのは、人生そのものなのか。諦めなければチャンスは必ず来る。」
IMG_0438.jpg

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仕事が終わると、その麻雀教室へ向かった。

時計の針は、午後9時10分を指す。

幹線道路を、信号に引っかからないよう祈りながら、車のアクセルを踏む。

私の通っている麻雀教室は、午後11時には終了する。

「半荘一回は、打ちたいなあ・・・」

そう願いながら教室の前に車を停め、教室の扉を開ける。

ご婦人が興じている一般のノーレート卓が、一卓。

どうやら競技麻雀の卓はまだ立っていないようだ。

最悪、今日は後ろ見オンリーになるのかな、とそう覚悟していた私は、安堵した。

今日は、とにかく打ちたかった。

昨日の対局では自らの弱い鳴きで、好牌を散らしてしまった。

今日はいつもとリズムを変えて、重い麻雀を打つ、そう決めていた。

夕方から、気も漫ろだった。

今日は、競技麻雀の生徒が少ない。

もしかしたら、先生と打てるかも知れない。

そう思いながらひろりんの方を見やる。

「久しぶりに、打つかね?」

ひろりんは、抑揚のない声で、私に答えた。

ひろりんは私の先生。

類なる感性で、麻雀の無限の可能性を教えてくれる。

僥倖。

願ってもいないチャンスが訪れた。





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コメント 2

youhei

4件のうちの1件はボクです(´▽`)ノ
by youhei (2012-05-28 00:53) 

ゆうゆう

あれ?
部長さんじゃないですか?
やきそば部、夏の大会に向けて、
強化合宿しましょう。
by ゆうゆう (2012-05-28 01:33) 

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