卓に強者がいると、高得点の手組は容易に和了できない。
何か、特別な何かが起こらない限り、役満など和了できない。
(そんなオカルトありえません)
同卓者は、ますたぴょんやF岡先生たちだ。
そうそう容易なこととはならない。
何かの間違いで、とか、そういうこともおきない。
(そんなオカルトありえません)
けれど、どいんちゃんの国士の和了を見たかった私は
その成り立ちを忘れることができない。
どいんちゃんと私は、同じ時期、ひろりん師匠のもとで
麻雀を学んでいた、いわゆる同期生だ。
現在、どいんちゃんは、すっかり麻雀から身を引いていて
私の帰省時くらいしか麻雀を打たないそうだが
この日も、あの頃と変わらず、魂の打牌を重ねていた。
なんというか、実は私はそのことも、とてもうれしかったのだ。
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どいんちゃんと席を変わったわたしは、
どこかで、国士を組む必要があるんじゃないか?
と思っていた。
対戦相手が重いから、国士の和了は叶わないだろうけれど
国士を狙うことで、たどりつける世界があるのではないか?と。
ソーズの上と北。
9ソウ、と北。
ますたぴょんに潰された国士だけれど、
これをヒントに私が組めば、
今度はますたぴょんの勝負手を潰せるかも知れない。
ここ一番の他家のチャンス手は、恐ろしいくらいの嗅覚で察知。
必ず、 ますたぴょんは潰しにくる。
四四12344789南南
これで、リーチを打ってでも、潰しにくる理屈でない、
その感覚はなんというか、ちょっと神域だ。
そんなことを考えながら
わたしの最初の配牌は、
一二四四⑥⑦⑨38東南白中
ドラ2ソウ
国士をイメージしていたなら、チャンタチックになった。
中盤に
一二八九⑦⑨123788東東
ここから、8ソウを切る。
どいんちゃんもソーズの上が動いてたもんな~とか思いながら。
この巡目に9ソウが3枚切られる。
次巡三を引き マンズの上が苦しい場の状況に
一二三八九⑦⑨12378東東
チャンタ三色目の高め9ソウが3枚も切られた、
ということを考えると、打7ソウ、打8ソウで
構わないのだろうけれど、先般の国士
どいんちゃんの9ソウ引き北待ちが頭を離れない。
さらに、マンズの上は苦しい、と感じている。
八ワンを外す。
そして、次巡 北ツモ。
あ、この北も、先般国士の和了牌じゃないか?
ちょっと大事にしてみる。打九ワン
一二三⑦⑨12378東東北
次巡 ツモ北
一二三⑦⑨12378東東北北
北に勢いを感じるし、なおかつ、9ソウ引きの形も残したい。
この席は、国士無双の想いの残った席。
(そんなオカルトありえません)
であれば、そこを粋に感じて組みたい。
打⑦
次巡、待望のラス9ソウツモ 打⑨
一二三123789東東北北
チャンタドラ1
これをダマ。
どいんちゃんの国士もダマで北待ちだった。
ダマに受けて、北で和了すれば、きっと流れは来る。
しかも、前任者 のぶんもまとめてくる。
(そんなオカルトありえません)
ふわり、と北が切られる。
何の気ないチャンタ、だと思われる手役ではあれど、
ひろりん師匠の弟子ふたり分の想いの籠った和了だった、と
やり遂げた感に満ち溢れていた。
自分でいうのもなんだけど、めっちゃよく打てた、と思った。
楽をせず、散らかさずに打てたな、と。
ああ、この東1局で物語が終わればよかったのに・・・
・・・・・・・・・・・・
ここで、全エネルギーを使い果たしてしまった。
瞬間の気のゆるみでいろいろな大事なことを忘却してしまった。
最初のテーマだった、散らかさない、とか、楽をしない、
とか、そういうのと真逆の打牌を連発してしまった。
やっぱり、感性の麻雀っていうのは
自分には、なかなか厳しいものがあるな、と
あらためて痛感するばかり、の新年でした。
我慢した分、楽をしたくなり、
丁寧に打っていた分、散らかしたくなる、
そういったよく理解できない性質が自分にはあるようだ。