透明なコップがある。
これを、コップの底からみた場合、
水が入っているかどうかはわからない。
コップの中の在り様、コップの在り様は
底から眺めた景色だけでは、判断ができない。
コップの在り様を知るには、上から見たり
横や、斜めから 見たりする必要がある。
知りたい、と思えば、おのずと様々な視点を持たざるをえないはずだ。
わからないことを、知りたいと思うこと。
ここから、全てのよろこびははじまる。
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例えば下家がホンイツを狙っていたとして
テンパイなのか、判断がつかないなあ、という時がある。
テンパイをしていない相手に牌を止めることは、嫌だし、
かといって、テンパイをしている相手に
「和了される可能性のある牌」を切り出すことはもっと嫌だ。
この時に、どのように考えるか?
私は、自分が相手だったなら、どうするだろうか?
まずここから入る。
自分の手牌や自分の都合在りき、の視点から
相手を知ろうとしても、それはなかなか叶わない。
なので、まず、自分が相手ならどうするだろうか?
ここから始める。
自分がホンイツを狙う時、たとえばピンズのホンイツだとすれば
マンズやソーズが切られた後に字牌が切られる。
ということは、字牌が出るまでは比較的安全、テンパイをしていない
可能性が高い。
次にこの字牌が、場に対してどういう字牌か、を考える。
場に一枚も出ていない字牌が場に打たれた場合、
これはどういう意味を持っている可能性が高いだろうか?
自分がホンイツを狙っているとして、場に1枚も出ていない字牌を
手牌に抱えるときって、どういうときだろうか?
●その字牌を使って和了したいと思っていた。
まず、これがあげられる。
すなわち、その字牌が役牌であれば、それを使用することで
それがそのまま得点アップに繋がる状況だった、可能性が高い。
①①②④⑤⑤⑦⑨⑨東発発中
こんな感じで、役牌を重ねたかった、ということは
まだテンパイをしていない可能性がある、と考えることができる。
●対局者に警戒させる。
字牌を場に打ち出しにくくさせる。
対局者に、「ちょっとこの牌鳴かれると嫌だな」
と思わせることが目的で役牌を抱える、という戦略。これもある。
では次に最後に出てきた牌が、場に2枚切れている字牌だった場合。
これは、テンパイの可能性が高い。
準備された牌である可能性が高いからだ。
自分がホンイツに向かっているときには、
テンパイ時の振り込みが嫌なので、
テンパイ時に安全牌を打ち出せるように準備する。
なのでホンイツを狙っているであろう相手から
場に安全で、使えそうもない字牌が打たれたときには
テンパイを疑ってよい、と思う。
ましてや、全員の安牌である一ワンとか、そういう牌が手出し
されたのであれば、テンパイ濃厚だと考えることができる。
もちろん、その限りではないけれど
ホンイツ狙いの人間の風下に立つことは、よろしくない。
闇雲に仕掛けることで、和了しやすくなる、
場を制圧できる麻雀は、平坦でつまらない。
ホンイツを狙っていることを、後悔させることができるくらい
しっかりと考えて、押し返す習慣を持ちたいものだ。