嶺上開花 [啓雀会にて]


麻雀から離れて過ごしている。


目を閉じれば、いつも、みんなと麻雀を打っている。


未来に向けて、重ねる対局の数は


もうそれほど、残っていない。


ピークを過ぎて、思うことは、過去の対局。


振り返れば、麻雀のおかげでよい人生だった。


残りの人生の少ない対局は、過去の自分の全ての同卓者に対して


恥ずべき事のない、そういう対局にしたい。


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月に、数回しか牌を握らなくなった。


その数少ない対局のひとつは


自分が望んでやまなかったガチ麻雀。


師匠のお名前を一文字いただいた啓雀会。


半荘120回を戦うリーグ戦。


もちろんノーレート。


脳が痺れるほど本気で打とうぜ!


と、参加者を募ったなら、本当に素晴らしい


思いがけない出来事になった。


みなが、ありえないくらい真剣に打ってくださるので、


神がかった対局が次々に生まれる。


堪らなく苦しいけれど、堪らなく楽しい。


久しく忘れていたこの感覚。


ヒロモト先生のおっしゃってた


理屈ではない充実感。


まさか、あれから15年。


再びこのような麻雀を打つことができるとは。


本当にしあわせだ。


同卓者には、感謝の言葉しかない。


本当に麻雀を打ってる。


まるで戦場にいるような高揚感。


死力を尽くさずにいられない心拍数。


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現在、1位2位との同卓。


この対局で、この2人をラス近辺に落とす必要がある。


すでに60戦以上消化しているわたしには、


猛追するにも、残りの試合数が心もとない。


まだ、60戦ある、との意見もあるけれど、と


そういう感覚で、もう60戦を消化してきたのだから。



東家わたくし


南家F氏(現在チャンプ)


西家K氏


北家D氏(現在2位)


一発裏、時間制限のない対局。


そして些末なエラーもすべてペナルティとなる。


本来なら、小さな和了を大切なのだけれど


1位2位のHPを減らすためには、致命傷となる一撃が必要だ。


この2人、F氏とD氏が3着4着になるのであれば


私は別にトップでなくても構わない。


K氏がトップでも構わないのだ。


この2人の親は全力で捌く。


本来ならば、ツモってかぶせたいところだけれど、


それは、いつもかなわない。


カウンターばかりくらってしまうのだ。


そう、なぜか、やつらは不思議と「和了牌」を掴まないのだ。


いや、そういう気がしているだけかも知れないのだけれど。


この2人の親番を捌いて、


自分の親番をとにかく離さず


ツモってツモってツモり倒す。


幼稚な作戦だけれど、自分には他に方法を


見つけ出すことがかなわず、これが一番確実なのだ。


東3局


上家D氏。下家F氏。


D氏にしぼられ、F氏に捌かれる。


であれば、Dにしぼらせず、


Fが捌きにくい手組とするしかない。


ドラ2ソウ


六九③⑤⑥⑧23899白白中


の配牌。


白ドラ1


これでいい。


打六


9ソウから仕掛けて、字牌と


ソーズに制約を与えつつ、トイトイ軸で組む。


中が重なってくれればよいのだけれど。


上家D氏からのチーはあんまり期待しないので、


場を抑え込む意味でも、やはりトイトイがよい。


2巡目


迷わず9ソウをポン 打九


③⑤⑥⑧238白白中  ポン999


ホンイツにみせたいし、チャンタも匂わせたい。


次巡 ⑥を引いて打8ソウ


③⑤⑥⑥⑧23白白中  ポン999


中の立て重なりや、ドラの重なりもある。


また下家がマンズ本線の可能性もある。


ピンズはいける。


⑥が出たので、ポン 打⑧


③⑤23白白中  ポン⑥⑥⑥ ポン999



次巡 ツモ2ソウ 打3ソウ


③⑤22白白中  ポン⑥⑥⑥ ポン999


7700が見える手組。


ツモ③ 


③③⑤22白白  ポン⑥⑥⑥ ポン999


もう、④引きでもいいです!


贅沢は言わないっす!


⑤をひけば、白をはずしてゆくつもり。


ツモ③


うおおお、すげえ、ここまで変化するんだ!


麻雀すげえ


いける!


そう感じる。

  

打⑤


③③③22白白  ポン⑥⑥⑥ ポン999


12000.


テンパイ。


もうそのままツモってしまえ。


9ソウを持ってきた!


9ソウツモが和了への光明に見える。


カンドラ増えない競技ルール


迷わず


「カン!」


このあたりで意識は少し飛んでいた。


いる、に違いない。


絶対に、いる。


ツモる牌には、表情がない。


指先から喜びが全身に伝わる。


「ツモっ!」


嶺上から白を引きあがる。


6000オール。


③③③白白  ポン⑥⑥⑥ ポン999  ツモ③ 



六九③⑤⑥⑧23899白白中


この配牌から、よく重なってくれた。


ここ数年で、一番痺れた白ツモ。


本当に、魂が震える。


このあとタンピンサンショクイーペーコーを空振り、


それでも7万点を持って、南3局 対面K氏の親番。


K氏、2着での終局が望ましい。


なんだったら、K氏にならまくられても構わない。


その目的から、やりすぎとは微塵も思わず


300.500をツモ和了を拒否。


K氏の4000オールを祈る。


麻雀は4人で打っている。


リーグ戦は参加者全員で打っている。


ここで、この半荘で全体を均すことで


とにもかくにも、上を走らせないことで


目無しが生まれる可能性を排除したい。


「つも!」


K氏4000オールをツモ。


よっしゃー!


きたぜ!


これで、この半荘、D氏とF氏は浮かび上がることはない。


結果、猛追できた、と思っていたけれど


それほど成績は変わっていなかった。


単なる自己満足。




D氏はあと80回


F氏はあと70回


試合数がある。



けれど、この特定の人間をターゲットにする麻雀は


自分にとって、本当に楽しい。


そういう麻雀が大好きなのだ、と気づく。


自分の成績うんぬんよりも、


特定の人間に楽に打たせない。


それが、楽しい。


多分そういう性分なのだろう、と思う。


成績は卓上の使命を果たした結果、ついてくるものだ、と。



現在の課題は、とにかくペナルティを減らすことだ。


成績よりも、ペナルティを減らすことのほうが


はるかに意味がある。


ノーペナで打ててこそ、はじめて麻雀として成り立つ。



目的があって、麻雀はときめく。


ひとりで一生懸命打っていても、


この充足感にはたどり着くことはできない。


背中を押して下さった方をはじめ


麻雀におけるすべての邂逅に感謝の言葉しかない。




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